シルクロードの旅は、飛行機で行く? それとも鉄道で?

中国の西端に位置する新疆ウイグル自治区のウルムチから新疆の中でも西にあるカシュガルまで飛行機でビュンと行けば、たった2時間です。しかし鉄道でゴビ砂漠を眺めつつ少しずつ近づく旅をすると、軽く20時間以上。ゴビ砂漠を見ながらの鉄道旅行って、まさにシルクロードを満喫している感じがします。でも時間がかかりすぎて、おもいっきり旅のスケジュールを圧迫してました。鉄道で行ってみたいけれど、時間がないので飛行機を使っていたという旅行者も多いはず。私が鉄道で新疆に行っていた2012年頃までは、快速で片道約22時間以上もかかっていました。2017年の12月、それが大幅に短縮されていました。

ウルムチからカシュガル向かう快速列車の硬座(ハードシート)。GWから9月にかけては、かなり混んでいる ウルムチからカシュガル向かう快速列車の硬座(ハードシート)。GWから9月にかけては、かなり混んでいる

90年代から2000年代までのカシュガルへの旅

カシュガルは、中国の西の果てに位置し、パキスタンとの国境に近い町です。古代には疏勒国の都だったカシュガルは、文明の十字路として交易で栄えてきました。古都の街並みが美しいカシュガルは、日本人旅行者に人気が高い町です。90年代は、カシュガルまで鉄道が通っていなかったので、バスで2泊3日かけて行く最果ての町でした。1泊目はコルラ、2泊目はアクスと途中のぼろ宿に宿泊しながらのバス旅行です。そのうちに宿泊せずに走る続ける寝台バスが現れましたが、それでも30時間以上かかっていた記憶があります。1999年になり、ウルムチからカシュガルまで全長1588キロを約25時間で走る鉄道が開通しました。

ウルムチ〜カシュガルへの列車の硬臥(ハードスリーパー)は、2段ベッド。一般的に硬臥と言えば、3段ベッドだが、この路線は、なぜかいつも2段なのでお得感あり! ウルムチ〜カシュガルへの列車の硬臥(ハードスリーパー)は、2段ベッド。一般的に硬臥と言えば、3段ベッドだが、この路線は、なぜかいつも2段なのでお得感あり!

ウルムチからカシュガルへの所要時間の変化

2017年12月現在、ウルムチからカシュガルへの鉄道は、1日に6本あります。そのうち2本が特急です。午前発のT9526 次と午後発のT9516次です。これなら片道約17.5時間しかかりません。ほぼ丸1日かかっていた時代を思えば、速い! 快速でもK850 次列車なら、所要約19.5時間です。快速も含め、ウルムチ〜カシュガル間の鉄道は、思いっきりスピードアップしていました。ちなみに今は、普通列車でもウルムチ〜カシュガルは、約24時間です。快速の所要約22時間から特急の所要約17時間になると、5時間も浮いてきます。この差は、大きい!

シルクロードらしさを感じない、不思議な外観のカシュガル駅 シルクロードらしさを感じない、不思議な外観のカシュガル駅

「たった5時間」それとも「5時間も!」?

カシュガル市内は、こじんまりとした散策しやすいところです。市内は、エイティガール寺院を中心に、少数民族のウイグル族が住む旧市街が広がっています。手工業の職人が集まった職人街やバザールもこの旧市街にあります。5時間もあれば、旧市街をのんびり散策することも可能。てきぱき観光する人なら、郊外にある乾隆帝の后となった香妃廟にだって、行けそうです。ウルムチからカシュガル間の鉄道の所要時間が5時間も短縮されたとは言っても、まだ17時間以上かかります。でも、シルクロード鉄道の旅が、あまりにも速くなってしまったら、なんだかつまらない。そう思うと、所要17時間って、ほど良い気がしませんか? いいね! 速くなって、カシュガルに浸れる時間が5時間も増えました!

伝統家屋が残っているカシュガルの旧市街。年々、伝統家屋が減り、新築の家が増えている 伝統家屋が残っているカシュガルの旧市街。年々、伝統家屋が減り、新築の家が増えている