日本人旅行者好みに雲南省と漢民族の多い地方の違い

最近ではめずらしくなりましたが、2000年代前半までは中国大陸を何か月もかけて、旅行している人がいました。そんな日本人に人気が高かったのは西南部の雲南省です。東南アジアにも近く、風景も人ものんびりしていました。生存競争が激しい漢民族が多い地方では、だまされることもしばしばあります。雲南省にやってきた旅人はこういうのです。「人がのんびりしていて、雲南はいいねえ。水田もあるし、どこか日本みたいだよ」。旅人は緑も水も豊かな雲南の穏やかな景色に癒されます。こんなやさしい風景に油断していると、雲南料理の辛さに痛い目にあうのです。

予想以上に辛い!日本人が大好きな雲南省の味つけにご用心! 予想以上に辛い!日本人が大好きな雲南省の味つけにご用心!

雲南省と四川省はお隣どうしだから共通点がある

雲南省の位置は辛い味付けで有名な四川省の南です。接しているだけに互いに人の往来も多く、雲南方言と四川方言は似ています。そのため、雲南省の人は四川省に働きに言っても、すぐ四川の言葉がわかるようになります。また、四川と雲南は近いだけに料理の味付けも似ています。「麻(マー)」と呼ばれる、しびれるような辛さが四川の辛さです。ここまで辛くはありませんが、雲南料理もやはり唐辛子を使った辛いものが中心です。

唐辛子たっぷりの辛い味付けの米線

雲南省で最も食べられている料理と言えば、「米線(ミーシェン)」です。雲南省の朝ごはんと言えば、つるっとやわらかい米線です。これは米粉のことです。豚の地を固めた豆腐や内臓入りの「脆旺米線(ツイワンミーシェン)」などは最初から唐辛子がたっぷり入っています。肉みそいりの「炸醤米線(ジャージャンミーシェン)」なども辛い味付けです。雲南省一帯で食べられる「過橋米線(グオチャオミーシェン)」は米線、スープ、具が別々に出てくる名物料理です。過橋米線は唐辛子が入っていないので辛いものが苦手な人も食べられます。しかし、過橋米線のような味付けのほうが雲南では少数派です。雲南では米線のスープが唐辛子で真っ赤というのが普通です。

思わず、食べたくなる名物きのこ鍋にご用心!

また、山岳地帯が多く、雨にめぐまれた雲南省の名産はキノコです。北部の麗江やシャングリラはマッタケの産地でもあります。そのため雲南省ではキノコを使った料理や鍋をよく食べます。ヘルシー志向が中国全土に広まると、雲南省の「蘑火鍋(モーグーフオグオ)」と呼ばれるキノコ入り火鍋も有名になりました。中国の鍋は辛いものがほとんどです。キノコ鍋も例にもれず、しょうが、香辛料、唐辛子たっぷりの激辛です。キノコ鍋って、いかにもヘルシーでおいしそうな感じがしませんか? 風景も人も穏やかな雲南省でも、料理の味だけは穏やかではありません。日本人には相当辛いので、油断は禁物です。