食堂で見かける「加帽子」や「加帽」の貼り紙

「食堂なのに、いったい帽子と何の関係があるの?」。いったん気になりだすと、今まで全く気が付いていなかったことなのに、気になってしょうがなくなりました。中国の西南部、雲南省の朝は、熱々の米線(ミーシェン)から始まります。米線とは米粉(ビーフン)のことです。省都の昆明のユースホステルに近い食堂で朝ごはんの米線を食べていると、「加帽子(ジャーマオツ)」の貼り紙が目につきました。「帽子」とは、中国でも頭にかぶる帽子のことです。「加」には、追加する、加えるの意味があります。帽子を追加するって、いったい何のこと?

メニューの料理名の後ろに「加帽(子)」の文字が見える メニューの料理名の後ろに「加帽(子)」の文字が見える

雲南省で「帽子」が意味するもの

実際、雲南省で米線を出す食堂に行くと「加帽子」、「加帽」などと書かれた貼り紙をしょっちゅう目にします。雲南省以外なら、この種の貼り紙は、ほぼ「加肉」です。これは「肉追加」や「肉大盛り」と言う意味です。「加帽子」って、いったい何を追加するの? お客がすいた隙をねらって、食堂のおばさんに教えてもらいました。帽子は雲南方言で「澆頭(ジャオトウ)」のことでした。「澆頭」とは、具の総称です。例えば、豚肉ミンチ入りの鮮肉米線を注文する時に「加帽子」と言えば、追加料金はかかりますが、豚肉ミンチをたっぷり入れてくれます。

鮮肉米線。いつ、どこで食べても豚肉がほんの少ししか入っていない 鮮肉米線。いつ、どこで食べても豚肉がほんの少ししか入っていない

雲南で「帽子」と呼ぶようになった理由

それにしても具のことを「帽子」だなんて、雲南人は、うまいこと言います。中国の検索サイトで「雲南方言ではなぜ、具のことを帽子を呼ぶのか」を調べましたが、出てこなかったので、勝手に想像してみました。帽子は、人間の一番上にのっかって、頭や髪を覆うものです。具も米線の一番上にのっており、米線を覆っています。役割が帽子とそっくり。だから具を帽子と呼ぶことにしたのでは? 米線の上にのっている豚肉、雑醤(肉みそ)、豆花(豆腐)などは、どれも帽子になります。ちなみに雲南省は、米線にのっける帽子の種類がとっても豊富なところです。

腸旺米線は、昆明では一番人気がある米線ではないか? 腸旺米線は、昆明では一番人気がある米線ではないか?

雲南省で豊富な帽子を楽しもう!

雲南省名物と言えば、いまや中国全土に名前が知れ渡っている「過橋米線(グオチャオミーシェン)」です。過橋米線は、南部の蒙自が発祥の地ですが、いつのまには雲南省名物のようになっています。過橋米線は、鶏肉ベースのこってりスープ、米線、帽子が別々で出てきます。過橋米線は、この帽子の種類が本当に豊富。土鶏、羊、田うなぎ、豚、鴨、うさぎなど。また、過橋米線ではない普通の米線でも鮮肉、腸旺、バー(手へんに八)肉、雑醤、豆花、土鶏など、よりどりみどりです。ちなみに腸旺は、臓物いろいろ、雑醤は肉みそ、土鶏は地鶏。雲南省に行ったら、種類豊富な帽子を「加帽」してみませんか!

過橋米線は、私が食べたのは10元(約180円)のもの。帽子の種類によって値段が異なる過橋米線は、もっと高級なタイプ 過橋米線は、私が食べたのは10元(約180円)のもの。帽子の種類によって値段が異なる過橋米線は、もっと高級なタイプ