ごはんが食べられる雲南省昆明の珍しいモスク

「これからモスクにごはんを食べに行ってきまーす!」なんて言ったら、初めて聞く人は、びっくりすること間違いなし。中国の南部や西南部の仏教寺院に多い気がするのですが、精進料理を食べられるところがあります。お寺の精進料理は有名なので「モスクにも精進料理が食べられるところがあるのかな?」と思う人がいるかもしれません。それは違います。精進料理だけでなく、雲南省名物の「米線(ミーシェン)」と呼ばれる米粉をはじめ、ぶっかけ飯、豚肉なしの包子(肉まん)など、なんでもあり。それどころか火鍋だって食べられます。こんなちょっと変わったモスクが中国西南部の雲南省昆明にあります。

永寧清真寺は、昆明中心部の鶏碧広場のすぐ西側、東寺街の一番北にある 永寧清真寺は、昆明中心部の鶏碧広場のすぐ西側、東寺街の一番北にある

入り口の肉まん屋にちょっぴり違和感の永寧清真寺

フードコートがあるモスクは、昆明のど真ん中と言ってもいい金碧広場のすぐ隣にあります。「永寧清真寺」と大きく書かれているので、すぐわかりますよ。市内中心部にあるモスクなので、周囲をビルに囲まれています。そのモスクの入り口では、肉まんが堂々と売られています。このあたりから日本人がイメージしているモスクと違うかもしれません。モスクの階段を上がると、小さな広場になっています。そこにはテーブルが並び、米線やぶっかけ飯を食べている人の姿が目につきます。初めて行った時、モスクに抱いている「神聖」なイメージが、ガラガラッと崩れて行くのがわかりました。

永寧清真寺の1階は、食券を買って食べるフードコートのようになっている 永寧清真寺の1階は、食券を買って食べるフードコートのようになっている

モスクの1階が商店になっているのは意外と普通?

イスラム教徒の回族をはじめ、ウイグル族、カザフ族などが多く住んでいる中国西北部には、清真寺と呼ばれるモスクが数多くあります。モスクの1階が、スカーフやじゅうたんなどのイスラム教に関係がある雑貨を扱うイスラム雑貨店になっているところは、少なくありません。1階が肉屋や「淋浴(リンユイ)」と言うシャワー屋さんになっている所も見たことがあります。中国よりもイスラム教の戒律が厳しい中東と違い、モスクの1階でなにかしら商売をしているのは、中国では珍しくありません。しかし、1階が永寧清真寺のように堂々とフードコートになっているモスクは、見たことがないです。

青海省西寧にある、マンションと一体になった清真寺。1階や肉屋と食堂 青海省西寧にある、マンションと一体になった清真寺。1階や肉屋と食堂

雲南省に多くの回族が住んでいる理由

モスクで商売をしているのも気になりますが、シルクロードのイメージが強い回族が、なぜ、雲南省に住んでいるのかも不思議です。雲南省では、外国人旅行者に人気の大理、大理に近い巍山などが回族が多い土地です。雲南省には、唐代から回族が住んでいたと言う記録があるそうですが、元代にフビライが雲南に攻めて来た時、多くの回族兵を連れて来たことも理由のひとつ。明清代にも移住してきた人たちがいるので、現在は、雲南省全体で約70万人の回族が住んでいます。西北部では、麺や餃子などの粉もの料理名人で知られる回族なので、昆明の永寧寺の美食広場も美味しいことで知られています。個人的には、永寧寺の『大救駕(ダージュウジャー)」がオススメです。米粉で作ったもっちりパスタのような生地を肉と野菜で炒めたものでとびきり美味しい。昆明で食事をするなら、モスクの中にある珍しいフードコートがおすすめ!

大救駕は、もちもちした食感とピリ辛味がくせになる美味しさ 大救駕は、もちもちした食感とピリ辛味がくせになる美味しさ