6212次列車の物売りが今も続いている理由

「雲南省昆明から始まる、物売り列車の旅」前編からの続きです。雲南省昆明を朝6時50分に出発する6162次列車は、近隣の農民が車内で野菜や果物を売ることで知られていました。座席をとっぱらった特別な車両に近隣の農民が乗ってくると、路上市場に様変わりします。この様子は、たびたびネットや雑誌にとりあげられ、物売り列車として有名でした。この珍しい車両が2017年を最後に見られなくなったなんて、本当に残念。今は、普通に座席が並んでいる6号車だけが物売り車両となって存続しています。乗務員曰く、6162次列車の中で売られる野菜は新鮮で安く、しかもおいしいので人気あるのだそうです。活気ある売買の様子を見るだけでも楽しいはず。他にも、この6162次列車が旅行者には、かなり使える列車だと言うことに気が付きました。

「こんなところで降りる人がいるのか」と言うようなところを走っていく 「こんなところで降りる人がいるのか」と言うようなところを走っていく

昆明から行くのが面倒だった黒井古鎮

6162次列車で商売をするために、近隣の農民が乗ってくるのは、8時42分着の広通北駅です。ここから商いがスタート! 広通北を出た列車は、約1時間後、9時44分に黒井に泊まります。黒井は、「黒井古鎮(ヘイジングーチェン)」と呼ばれる古い村です。古鎮と鉄道の駅は約4キロ離れています。駅から古鎮へは、馬車で黒井古鎮に行くことができます。黒井古鎮と言えば、昆明から直接行けないので、本当に面倒でした。まず、バスで楚雄に行き、そこから黒井古鎮行きのミニバスに乗り換えていきます。しかも黒井古鎮行きのバスの数が1日8本しかないので、時間をあわせるのが大変でした。それがちょっと早起きして、6212次列車に乗れば、ダイレクトで入れます。

のどかで美しい古鎮なので、週末は昆明から車でやってくる旅行者が多い のどかで美しい古鎮なので、週末は昆明から車でやってくる旅行者が多い

黒井古鎮とは、いったいどんなところ?

黒井古鎮は、古くから塩を産出する村として有名です。黒井の名前には、こんな物語があります。一匹のよく肥えた牛が逃げてしまい、その足跡をつけていくと、塩が出てくる井戸が見つかりました。牛は、この井戸から出てくる塩をなめていたのです。この牛は黒牛だったらしく、牛の功績を称えて「黒牛塩井」と呼ばれていました。それが縮まって「黒井」になりました。村には今も塩井や古法制塩作坊が残っており、これらは自由に見学できますだ。黒井は、明代から清代にかけて発展し、特に清代は、雲南省の塩税のうち約64%を黒井が占めていました。1949年の解放前、海塩が出回るようになり、「塩都」と呼ばれた黒井も衰退してしまいました。

黒井古鎮のかなりはずれのほう。中心部は明清代の建築が残っている 黒井古鎮のかなりはずれのほう。中心部は明清代の建築が残っている

6212次列車を2倍楽しもう!

塩都として栄えただけあって、黒井には、こんな山奥なのに清朝の雍正帝の筆による「霊源普澤」の額などが残っています。村の門にあたる牌楼や屋根の装飾も妙に立派で、かつての繁栄を伺い知ることができます。黒井の良さは、90年代の雲南省のひなびた風景が今も残っていることです。古びた木造家屋の商店街も、そのままです。黒井駅から馬車で黒井古鎮に入る道ものどかそのもの。6212次列車で地元の農民が野菜や果物を売るところを見学した後は、黒井で降りるのがおすすめ。黒井古鎮を観光してから、バスで昆明に帰ると、珍しい物売り列車も黒井古鎮も両方楽しめますよ!

6212次列車の終点、パン枝花駅。外国人旅行者にはあまり見るところがないので、終点まで行く必要はないかもしれない 6212次列車の終点、パン枝花駅。外国人旅行者にはあまり見るところがないので、終点まで行く必要はないかもしれない