鉄道よりバスが発展している雲南省の交通

地図でみると、中国の西南部にある雲南省の省都・昆明から黒井へは、あまり離れていません。昆明の対角線上にある景洪は、それに比べると昆明から一番遠い景洪に行くには、90年代はバスで24時間かかりました。景洪は西双版納とも言われ、東南アジアのような雰囲気が楽しめるところですが、私が行った時は、運悪く、何度もバスが故障したので36時間もかかりました。そんな景洪も今では高速道路が通り、たった8時間で行けるようになりました。雲南省は鉄道が通っているところが少ない分、高速道路が発達しています。それでも黒井は、バスで行くと片道約4時間かかります。あんなに遠い景洪が8時間で行けるのに、どうして黒井に行くのに4時間もかかるの? バスで行くのはしゃくなので、今回は鉄道で行くことにしました。

黒井駅は、1日2本しか泊まる列車がない小さな駅 黒井駅は、1日2本しか泊まる列車がない小さな駅

6162次普通列車に乗って、昆明から黒井へ

2013年2月に黒井に行ったことがあります。その時は、昆明の西にある楚雄からバスで行きました。2回目の今回は、鉄道で一気に行きます。昆明駅、朝6時45分発の6162次列車に乗れば、9時42分に黒井着。こんなに時間がかかってしまうのは、普通列車のため、途中で何度も20〜30分もの停車時間があるからです。日本の地名と言っても通じそうな黒井は、雲南省では、有名な塩の生産地です。明代から清代にかけては塩業で大いに栄え、雲南省の塩税の64%を黒井の塩税が占めていたと言われています。そんな黒井ですが、2000年代になって、やっと道路が整備されました。その交通の便の悪さのおかげで、今も明清代の建物がちゃんと残っています。

黒井古鎮の入り口にある五馬橋。元代に作られた古い橋 黒井古鎮の入り口にある五馬橋。元代に作られた古い橋

黒井往復に一番簡単なのは、鉄道!

黒井に停まる6162次列車は、2017年末までは、有名な買い物列車でした。黒井の手前の広通北駅に到着すると、周辺農家のおばちゃんたちが乗って来ます。椅子を取りはらった車内が路上市場にかわり、おばちゃんたちが畑で作った野菜を販売するので人気でした。広通北駅をでて、約1時間で黒井に到着です。黒井駅は、黒井古鎮から約3キロ離れています。駅からは乗合タクシーや馬車で黒井古鎮に行きます。ちなみに一番安く、一番簡単に昆明に戻る方法は、やはり鉄道です。午後7時2分発の昆明行き6161次列車に乗れば、午後11時23分に到着です。

6162次列車は、白い車体の高速鉄道の普及につれて、全国的に減っている緑色の列車 6162次列車は、白い車体の高速鉄道の普及につれて、全国的に減っている緑色の列車

黒井古鎮に残っている「鋪台」とは?

黒井駅を出ると、黒井古鎮までは車が一台やっと通れる幅しかない道路の1本道です。五馬橋と呼ばれる元代にかけられた橋を渡る手前は、商店街だったところです。今は商売をしている家は見当たりませんが、にぎやかだった頃の雰囲気がわずかに残っています。軒下に「鋪台」と呼ばれる商品を並べる棚のような場所があり、そこに商品を並べて、商いをしていました。商店街をぬけると、「節孝総坊」と呼ばれる清朝の光緒27年(1901年)に建てられた石造りの門牌があります。ここが黒井古鎮の入り口です。節孝総坊を通り、五馬橋を渡れば、いよいよ黒井古鎮の中心部です。(後編に続く)

黒井古鎮の商店街。扉の前の台のようなところが「鋪台」 黒井古鎮の商店街。扉の前の台のようなところが「鋪台」