どんなに寒い日でも、食べずにはいられない冷たいおやつ

「こんなめちゃ寒い日に、こんな冷たい物を食べるなんて、私もどうかしてる」と思いつつ、冬の中国を旅行中、ほとんど毎日、食べていたおやつがありました。最近は、年のせいか午後にこんな大物のおやつを食べると、晩ご飯が食べられなくなるので、やめています。でも、本当に美味しかった。今日のような寒い日は、この冷たいおやつを思い出して、無性に食べたくなります。このおやつは「涼粉(リャンフェン)」と言います。日本に似たような食べ物はないのですが、強いていうならところてんのような食べ物です。本場は北部から西北部ですが、中国全土どこに行っても食べられる超人気料理です。材料は、緑豆、さつまいもなどです。小麦粉で作ったものは「涼麺皮(リャンミェンピー)」や「涼皮(リャンピー)」と呼びます。

新疆ウイグル自治区の和田で食べた涼粉。この地に多く住んでいるウイグル族は、酸っぱい味付けを好むので、新疆の涼粉は、他の地方のものより酢がきいている 新疆ウイグル自治区の和田で食べた涼粉。この地に多く住んでいるウイグル族は、酸っぱい味付けを好むので、新疆の涼粉は、他の地方のものより酢がきいている

芝麻醤を入れるか? いれないか?で分かれる涼粉

涼粉も涼麺皮も酸っぱくて、辛いおやつです。基本の味付けは、酢、辣油、にんにく、しょうがなど。あとは、地方や屋台ごとに特製の材料が加わります。シルクロードの出発点と言われる陝西省西安より西側の人は、胡麻ダレ好きで知られる北京人と同じぐらい胡麻ダレ好きです。そのため、必ずと言っていいほど基本の味付けに加え、芝麻醤と呼ばれる胡麻ペーストが入っています。芝麻醤って、酢や辣油と相性がいいですね。芝麻醤が入ると、マイルドで濃厚な辛さになり、本当に美味しい。陝西省西安や甘粛省蘭州、青海省西寧なら、どの都市で食べても涼皮や涼麺皮は胡麻ダレ風味で、はずれなしです。

甘粛省蘭州や青海省西寧の涼粉。もっちりした食感でおいしい 甘粛省蘭州や青海省西寧の涼粉。もっちりした食感でおいしい

日本以上に体を冷やすことを嫌う中国人

雪は降ってなくても、零度を下回る日に、地元っ子にまじって涼粉を食べていると、いつも同じ疑問がわいてきます。日本人と比べると、中国人は体を冷やすことを嫌います。特に下半身。日本の女子高生なんて、真冬でも生足でタイツをはいていない子もよく見かけます。中国北部や西北部の冬と日本の冬では、寒さが異なるので、比べようもないのですが、中国では、真冬に生足なんてありえません。おしゃれな若い女性もみんなパンツの下に分厚いタイツを履いています。夏でも冷たい飲み物を飲まないと言う人もいます。こんなに体を冷やさない習慣の国なのに、どうして中国人は、真冬でも涼粉を食べ続けるんでしょう?

新疆ウイグル自治区和田の涼粉の屋台。左に積みあがっているのは、千切り大根。千切り大根を混ぜるのが新疆風 新疆ウイグル自治区和田の涼粉の屋台。左に積みあがっているのは、千切り大根。千切り大根を混ぜるのが新疆風

冬でも涼粉と涼麺皮を食べずにはいられない理由

涼粉も涼麺皮も一番売れる季節は、もちろん夏です。実際、冷えているわけじゃなく、常温の食べ物です。夏の午後なんて飛ぶように売れるB級グルメですが、冬になると、連日、零下の日が続く西北部では、涼皮も涼麺皮もただ、置いているだけで冷えていきます。しかも冷たい調味料をかけて、あえて食べるだけなので、真冬に冷麺を食べているような感じです。でも、中国人には、涼皮は夏の食べ物と言う概念がなく、体が冷えるとも思ってないようなのです。寒空の下で、こんな冷たいおやつを食べたら、下半身だけじゃなく、全身が冷えないわけはないんですが、気にしません。要は、寒くても好きだから食べたい。その気持ち、わかります。私も冬になると、キーンと冷えているけれど、マイルドで重い辛さの涼粉を無性に食べたくなります。

陝西省西安の麻醤涼皮。どろっとしたゴマダレが美味しい。麺の食感もうどんに似ている 陝西省西安の麻醤涼皮。どろっとしたゴマダレが美味しい。麺の食感もうどんに似ている