発車後30分で中国奥地の風景になる蘭州南バスターミナル

南バスターミナルを出て、まだ30分ぐらいだと言うのに、黄土高原の乾ききった景色が広がっています。「蘭州って、落差がすごい!」って、思います。蘭州は、中国の西北部にある甘粛省の省都です。蘭州は高層ビルが林立する大都会ですが、南バスターミナル発のバスで30分も離れると、ドキュメンタリー番組に出て来そうな中国奥地の風景が広がっています。蘭州南バスターミナルからは、甘南チベット族自治州や臨夏回族自治州方面のバスが出ています。ここでグッドニュース! 現在、蘭州から臨夏を経由し、甘南チベット族自治州の合作行きの高速鉄道が建設されています。バスでしか行けなかった地方へ鉄道で行けるようになるのです。

蘭合鉄路が開通すれば、一気に行きやすくなる夏河県のラプラン寺 蘭合鉄路が開通すれば、一気に行きやすくなる夏河県のラプラン寺

2019年開通の「蘭合鉄路」とは?

蘭州から合作まで約183キロにも及ぶ鉄道は、「蘭合鉄路」と呼ばれ、蘭州と広東省広州を結ぶ高速鉄道計画の一部分です。蘭合鉄路は、2014年12月12日に建設が始まり、2019年に開通が予定されています。開通すれば、新中国の建国以来、鉄道とは無縁だった甘粛省南部の黄土高原と青蔵草原を鉄道が走ることになります。樹木がほぼ見られない山がエンエンと続く黄土高原。黒くて長い毛が特徴のヤク(猛牛)が散らばっている青蔵草原。蘭合鉄路が通るルートは、長距離バスに乗っていても、寝るのがもったいないぐらい雄大で厳しい風景が見られるところです。

甘南チベット族自治州と臨夏回族自治州の旅と言えば、長距離バスが基本 甘南チベット族自治州と臨夏回族自治州の旅と言えば、長距離バスが基本

蘭合鉄路のルート上にある外国人に人気の町とは?

蘭合鉄路には、塩鍋峡、永靖、臨夏など合計16もの駅が置かれる予定です。蘭州と合作を結ぶルート上にある最も有名な場所と言えば、夏河県のラプラン寺です。チベット仏教のゲルク派の大寺院であるラプラン寺は、90年代から外国人旅行者には知られていました。2018年現在、外国人旅行者は、団体ツアーに参加しないとチベット自治区に入ることはできません。個人でチベット自治区を訪れるのは、不可能。そのため個人で自由に訪れることができ、伝統的なチベットを体感できる夏河のラプラン寺は、外国人旅行者に根強い人気があります。蘭合鉄路が開通すれば、ラプラン寺が行きやすくなること間違いなしです。

臨夏に近い広河県。黄土高原にある町の典型的な風景 臨夏に近い広河県。黄土高原にある町の典型的な風景

蘭合鉄路の開通で大幅に短縮される所要時間

蘭州から夏河までの距離は、約224キロです。南バスターミナルから夏河行きのバスに乗れば、所要約4時間で到着。蘭合鉄路が開通すれば、夏河までの所要時間が大幅に短縮されます。時速200キロで走る計画になっているので、片道1時間ちょっとで行けるかもしれません。実際のところ夏河は、蘭合鉄路のルート上からやや外れています。夏河から離れた場所に駅が作られ、夏河駅と名付けられる可能性はありますが、夏河に行きやすくなることは確か。ラプラン寺の門前町である夏河は、住民のほとんどがチベット族。巡礼に訪れるチベット族も多く、チベット自治区に行かないでも伝統的なチベット文化に触れることができる最高の場所です。バスの車窓から見えるチベット的風景も距離が近くておすすめですが、蘭合鉄路の開通も待ち遠しい!

夏河は、小さなチベット族の村。ラプラン寺が村そのものと言ってもいいぐらい広大 夏河は、小さなチベット族の村。ラプラン寺が村そのものと言ってもいいぐらい広大