中国なのに、中国にいる感じが全くしない町

高速道路を降りると、いきなり真っ白な玉ねぎ型のドームのモスクが目に飛び込んできました。圧倒されそうな大きさのモスクが、そう幅が広くもない道路の脇に建っています。白亜の巨大モスクは全く中国らしからぬ風景なのに、付近を歩いているのも礼拝に訪れるのも中国人です。なんだか変な感じがして、一瞬、今、私はどこにいるんだろう?という気分になります。ここは甘粛省の広河県です。甘粛省は中国の西の端、新疆ウイグル自治区の東側に位置する細長い省です。年間を通して雨が少なく、樹木がほとんどない黄土色の景色が広がっています。そこに白亜のモスクがポツンと建っていると、なんだか浮いています。

中国にいるはずなのに、いったいここはどこ?白亜のモスクの町 中国にいるはずなのに、いったいここはどこ?白亜のモスクの町

甘粛省広河県は秘境なのに、実は交通は便利そのもの

広河県は人口の98%がイスラム教を信仰する少数民族の回族の町です。広河県は省都蘭州より西に約100キロのところにあります。100キロと聞けば、遠い感じがしますが、広河県の三甲集は蘭州からの高速道路沿いにあり、高速バスに乗ればわずか40分ほどで到着です。この三甲集で高速道路を降り、309号線道路沿いに西に向かって進みます。この309号線沿いの広河までには大きなモスクが集まっています。三甲集の高速道路の降り口に建っているのは水家清真寺です。中国語で「清真寺」とはモスクのことです。

広河県のモスクの様式は3種類!

広河のモスクには「アラブ式」、「中国式」、「折衷式」の3種類があります。広河県城で一番大きく有名なモスクと言えば、西川清真寺ですが、これはアラブ式と中国式が混ざった「折衷式」です。緑の小ぶりのドームと6本の塔が建っています。三家集の水家清真寺、南街清真寺は白い大きな玉ねぎ型のドームを持つ「アラブ式」です。広河県城の中心部にある直街清真寺は典型的な「中国式」です。中国式は一見、モスクには見えません。「これがモスク?」と思う人もいるかもしれません。反り返った緑の瓦屋根の仏教寺院のようにも公民館にも見える建物です。

敬虔なムスリムが住む町、広河県

広河に行くのなら、出発点は甘粛省の省都・蘭州です。蘭州と広河を結ぶバスは午後6時までならひっきりなしに通っています。それでも観光地ではないので、観光客慣れしたモスクはゼロ!外国人であろうと女性は必ず髪をスカーフで隠さないと、見学させてもらえません。ここでは小さな女の子を除いて、スカーフなしで歩いている女性はいません。マイナーなところなので秘境と言えますが、交通は便利そのもの。モスクやイスラム建築に興味があって、秘境に行ってみたい人にいちおしです!