四川省はお米をよく食べる地方だから麺は食べないって本当?

中国の西南部、四川省の南部に位置する楽山市と言えば、世界遺産の楽山大仏で有名な町です。ここからバスで約1時間30分のところにある羅城という古い町があります。ここの食堂で名物の羊のスープの昼ご飯を食べていると「どうしてごはんのおかわりをしないの?」とお店の人に言われてしまいました。お茶碗1杯分は、しっかり食べたのになあ。思わず「お昼に、ごはんを食べる習慣がないから」と口に出ていました。「じゃ、いつもは何を食べるの?」。「だいたい麺かな」。「四川人は、麺はほとんど食べないわ。昼も夜もごはんを食べるものなのよ」。この意見は、う〜ん、私には納得できないものがあります。

羅城鎮の名物、羊肉スープ。中国の西北部の羊のスープは、こってり脂っこいので体を温めるために冬によく飲むが夏は、脂っこすぎるので敬遠されている。羅城のものは、羊のスープと思えないほどあっさり。1年中飲まれている 羅城鎮の名物、羊肉スープ。中国の西北部の羊のスープは、こってり脂っこいので体を温めるために冬によく飲むが夏は、脂っこすぎるので敬遠されている。羅城のものは、羊のスープと思えないほどあっさり。1年中飲まれている

中国の食文化の境界は、いったいどこにある?

中国を南北で分けると、北部は小麦粉で作った麺、餃子、餅(パンのようなもの)を主食にしています。南部は、ごはんやお米で作った米粉(ビーフン)を主食とする地域なのですが、南北の境界が外国人には、とってもわかりにくいです。中国の真ん中よりやや東、古都西安の南部にある秦嶺山脈が分かれ目と言われています。しかし、長江を境目とするという意見もあります。四川省は、秦嶺山脈より南、長江より北というややこしい場所にあるのに、南部と解釈されることが多く、外国人には全くもって複雑です。さらに四川人はよく米を食べているかというと、これも外国人には疑問です。

四川人は、麺を食べないという意見に納得できない理由

私には、四川人は、麺好きに見えます。担担麺をはじめ、布団のように平たくて大きな鋪蓋麺(プーガイミェン)、辛い混ぜ麺の宜浜燃麺(イーピンランミェン)、幅広のきし麺風のターター(手へんに達)麺など、名物麺の種類も豊富です。しかも昼も夜も食堂や屋台で麺を食べている人の姿を目にします。四川人って、かなりの麺好きにしか見えないんですけど!  また、中国には、上海料理、広東料理など、地方ごとに様々な料理がありますが、四川料理は、一番大衆的な料理と言われています。とにかくどんな僻地に行っても食べられます。油っこくて辛い四川料理の味付けは、ごはんにあいます。ごはんは、パラパラとお箸からこぼれ落ち、日本人にも美味しいお米には、なかなか出会えませんが、四川料理と言えば、ごはんが食べたくなります。

四川省でよく食べられている鋪蓋麺。細長くは切らず、手のひらで大きく丸くのばしたままの状態でゆでた麺。麺の下に必ずゆでたひよこ豆が入っている 四川省でよく食べられている鋪蓋麺。細長くは切らず、手のひらで大きく丸くのばしたままの状態でゆでた麺。麺の下に必ずゆでたひよこ豆が入っている

四川は、微妙な位置にあるのがいい! 米も粉も楽しみたい!

四川料理を代表する麻婆豆腐なんて、ごはんがないとおいしさ半減の料理です。唇がしびれるような辛さの麻婆豆腐をごはんにのせて食べるとああ、おいしい。日常的にごはんを食べる日本人には、四川料理がごはんが欲しくなる味付けだってことがよく、わかります。しかし、ここが米食文化圏だと言われると、やはり納得できないものがあります。四川省のお隣の雲南省は、正真正銘の米食です。麺の代わりに「米線」と呼ばれる米粉をよく食べます。四川って、南北の境界の微妙な位置にあるので、麺と米の両方をよく食べます。四川省が米食と粉食のどっちの文化圏に属しているかという問題は、さておき、四川は米も粉も楽しめる美味しいところです。

四川人の心の味「冒菜(マオツァイ)」。四川省のどの町でも食べられる名物のひとつ。冒菜とごはんのセットは、安くて、おいしくて、美味しいとまさに文句なしのごはん 四川人の心の味「冒菜(マオツァイ)」。四川省のどの町でも食べられる名物のひとつ。冒菜とごはんのセットは、安くて、おいしくて、美味しいとまさに文句なしのごはん