世界遺産「楽山大仏」の町の名前が、有名なもう一つの理由

世界遺産の「楽山大仏」がある楽山市は、中国の西南部に位置する四川省の成都からバスで約2時間の場所にあります。楽山市の名前を中国だけでなく、世界に知らしめているのは、世界最大級の楽山大仏ですが、中国では、楽山市はB級グルメの町としても知られています。とにかく名物料理が多いのです。有名なのは「鉢鉢鶏(ベンベンジー)」、「甜皮鴨(ティエンピーヤー)」、「牛肉豆腐脳(ニュウロウトウフナオ)」などです。中でも鉢鉢鶏は、日本人旅行者でも見たことがあるかもしれません。成都の繁華街に行くと、串に刺した野菜や鶏肉がはみでた大きな鉢が並んでいるのをよく見かけます。これが鉢鉢鶏です。成都名物と勘違いしそうになりますが、本当は楽山名物なのです。

鉢鉢鶏は、本当は巨大な陶器の鉢に入っているものだけど、洗面器で売っているお店も多い 鉢鉢鶏は、本当は巨大な陶器の鉢に入っているものだけど、洗面器で売っているお店も多い

はじめて食べた「四方豆腐」のお味とは?

この楽山で、珍しい豆腐料理を見つけました。豆腐というより厚揚げに似てますが、その上にたっぷりと日干し大根の漬物をのっけたものです。日干し大根は、四川省らしく唐辛子がきいた辛い漬物になっています。その上に砂糖入りのピーナッツの粉をかけた料理です。ピーナッツと砂糖をまぜたものは、上海周辺でもおにぎりや団子の中に入れますが、唐辛子とは組み合わせません。この楽山名物は、「四方豆腐(スーファンドーフ)」と呼ぶそうです。お味は、辛くて甘い不思議な味です。辛さの中にほのかに甘さを感じるのではなく、両方がしっかり主張しています。

一串3元(約54円)の四方豆腐。大根のシャキシャキと甘いピーナッツの粉が意外とあう 一串3元(約54円)の四方豆腐。大根のシャキシャキと甘いピーナッツの粉が意外とあう

唐代に楽山大仏が建てられた理由とは?

楽山周辺は、もともと塩がとれる土地です。楽山大仏も土地の人々の塩業の成功に対する感謝の気持ちと共に塩の運搬の役割を果たしている岷江の氾濫を沈める祈願のために建てられました。四川省の塩がとれる土地では、必ずと言っていいほど、豆腐料理が名物になっています。楽山市では、五通橋区に近い西バ(土へんに覇)の豆腐が有名です。「西バ豆腐」と呼ばれ、楽山名物のひとつにもなっています。この地の川の水には、天然のにがりが含まれていると言われており、明朝の万暦年間(1573〜1620)には、すでに西バ豆腐の名前は広まっていたようです。

高さ71メートル、頭部だけで14.7メートルもある楽山大仏は、世界最大の大仏 高さ71メートル、頭部だけで14.7メートルもある楽山大仏は、世界最大の大仏

甘くて辛い味は、慣れると病みつきになる味?

西バに行くと、四方豆腐によく似た豆腐料理の屋台が出ています。「油豆腐(ヨードーフ)」と呼ばれる油で揚げた豆腐の中に千切りの大根をつめたものです。ピーナッツの粉、砂糖、唐辛子と混ぜた千切り大根は、辛くて甘い味付けです。四川人って、隠し味の甘さではなく、甘い辛いがしっかり共存した味が好きなようです。四方豆腐も油豆腐も最初は、砂糖入りのピーナッツの粉と唐辛子の味がはっきり自己主張しすぎていて、日本人には難しい味です。でも、食べているとシャキシャキした大根の歯ごたえや辛味を和らげてくれる甘味をおいしく感じるようになってきますよ。楽山市に行ったら、名物の豆腐料理にトライしてみませんか! 珍しい味つけにだんだんとはまってきますよ!

豆腐はスカスカで食べ応えはないが、シャキシャキの大根がおいしい 豆腐はスカスカで食べ応えはないが、シャキシャキの大根がおいしい