楽山名物の「鉢鉢鶏(ベンベンジー)」とは、どんな料理?

目の前におかれた巨大な丼の中には、串に刺した野菜や肉がいっぱい。ラー油で真っ赤なスープに浸かっている具は、本当に辛そう。これは、中国の西南部に位置する四川省楽山市の名物、「鉢鉢鶏(ベンベンジー)」です。ラー油の厚い膜がはったスープは冷めにくく、火にかけていなくても保温状態が続いています。軽くゆでた鉢鉢鶏の具は一つ一つが小さく、ラー油たっぷりの熱いスープに浸かっていると、自然と煮えてきます。楽山市は、世界遺産の楽山大仏がある観光都市です。四川省の中でも名物料理が多く、おいしい町として知られています。今、名物の鉢鉢鶏に、ちょっとした論争が起きています。

野菜の串は、1本0.5元(約8円)、肉の串は、1本1元(約16円)ぐらいから 野菜の串は、1本0.5元(約8円)、肉の串は、1本1元(約16円)ぐらいから

鉢鉢鶏の食べ方は、本場と成都では大違い!

成都市内の観光地、文殊院の中にある屋台街で鉢鉢鶏を食べると、自分の好きな具の串を選んで、まず、代金を払い、それから食べます。本場の楽山では、鉢鉢鶏の食堂や屋台に行くと、目の前に大量の串が入った巨大どんぶりがドンと出てきます。もしくは、テーブルにすでに用意されています。私は、れんこん、カリフラワー、ユバあたりからスタート! 中国人は、手羽、うずら卵、こんぶなどを好む人が多いようです。自分のペースでのんびり食べて、最後にお勘定です。お店の人が食べ終わった串の数を数えて、代金が決まります。

楽山市の繁華街に行くと、名物の甜皮鶏の屋台が並んでいます。 楽山市の繁華街に行くと、名物の甜皮鶏の屋台が並んでいます。

インドネシアの名物料理と鉢鉢鶏の共通点

巨大どんぶりには、お客が食べなかった串がそっくりそのまま残っています。ここに新しい具を追加し、次のお客がやってくると、そのまま出します。今、これを不潔だという中国人が増えて来ています。私の友人には、「インドネシアは好きだけど、パダン料理は不潔だから食べない」と言う人がいます。パダン料理は、インドネシアの伝統料理です。パダン料理のレストランでは、注文の必要はありません。テーブルに着くと、お店の人が10数種類のカレーやフライを運んでくれます。好きなものを好きなだけ食べて、お勘定をします。一口でも食べたら、一皿分払います。手つかずで残った料理は、そのまま次のお客にまわされます。鉢鉢鶏も前のお客が食べなかった具は、次のお客にまわされます。

かわりゆく中国人の衛生意識と鉢鉢鶏

確かに鉢鉢鶏の一部の具は、使いまわしです。他人がなめた串を巨大どんぶりに戻すわけではないので、私は気にしていませんが、ダメな人はダメなようです。鉢鉢鶏は、もともとは経済的に恵まれない人たちが食べる料理でした。鉢鉢鶏を食べる時、鶏のスープで炊いた汁めし一碗と串2本だけで、一食にしたそうです。時代が変わり、鉢鉢鶏は、今、ビールと一緒に楽しむ酒のさかなになってきています。もしくは、おやつです。B級グルメなので、ぜいたくな料理ではないですが、経済的に恵まれない人が食べる料理では、なくなっています。時代と共に中国人の衛生に対する意識も変わり、料理の性質も変わりました。もし、抵抗がないなら、楽山大仏観光の際は、ぜひ、鉢鉢鶏をお試しあれ!

鉢鉢鶏は、鍋料理ではないので、夏場に屋外で楽しむ人が多い人気料理 鉢鉢鶏は、鍋料理ではないので、夏場に屋外で楽しむ人が多い人気料理