かつては「朝はゆっくりめに出発!」がオッケーだった楽山観光

「楽山は近いから朝はちょっと遅めに出発します」なんて言葉を、10年前の成都の安宿でよく耳にしました。楽山は、世界遺産の「楽山大仏」がある町です。中国の西南部に位置する四川省の省都成都からバスで約2時間のところにあり、楽山大仏と言えば、成都からの日帰り観光スポットでした。その楽山観光に今、異変が起きています。もうかつてのように「朝はのんびりめにスタート!」なんて言ってられなくなりました。以前に比べ、成都から楽山を結ぶ高速道路の整備は進み、性能が良さそうなバスに変わってきているのに、どうして?

楽山大仏の全身が見られる遊覧船観光。個人の自由なので見に行かなくてもいいが、見に行かないのは残念 楽山大仏の全身が見られる遊覧船観光。個人の自由なので見に行かなくてもいいが、見に行かないのは残念

楽山に行くには、高速鉄道よりもバスがおすすめ

成都から楽山へは、今も昔もバスでいくのが便利です。2014年の終わりに成都と楽山を結ぶ高速鉄道が開業しましたが、到着する楽山北駅が楽山市の中心部から離れている上に、本数が少ないのです。バスなら成都の新南門バスターミナルを出発し、楽山市の肖バ(土へんに覇)バスターミナルに到着します。こちらは楽山市内中心部に近く、本数も多いのでおすすめです。成都からの交通には問題はないのに、どうして日帰りが難しくなっているかと言うと、観光客が爆発的に増えているので、大仏見学にとっても時間がかかるようになったからです。

観光客が爆増している上にみんなこのようにして写真を撮るので時間がとってもかかる 観光客が爆増している上にみんなこのようにして写真を撮るので時間がとってもかかる

楽山大仏観光の二つの柱とは?

楽山大仏観光は、大仏がある凌雲寺を訪れるのと遊覧船から大仏を見学するのがセットと言ってもいいほどです。というのも楽山大仏は、頻繁に起きた水害を鎮めるために建てられたので川の方角を向いています。しかも高さ71メートルと巨大! 凌雲寺からでは全身を眺めることはできません。全身像を見たかったら、遊覧船に乗るしかないのです。遊覧船は、凌雲寺の対岸から出ています。本数も多いので、こちらは観光客が多い時期なら、意外と待たずに乗ることができます。問題は、実際に凌雲寺を訪れて、そこから大仏を観光するところです。まず、観光シーズンは観光客が多く、チケットを買うのに並びます。そして本当に大変なのはここからです。

凌雲寺で一番人気がスポットは、この大仏像の横にある桟道。 凌雲寺で一番人気がスポットは、この大仏像の横にある桟道。

楽山観光に時間がかかるようになった理由

私が訪れた10月半ばは、国慶節の休暇も終わった比較的観光客の少ない時期です。山上の凌雲寺前の広場に着くと、卒倒しそうなほど観光客がいました。大仏様の頭の後ろにある広場は、記念撮影スポットです。広場には「ここから約1時間30分かかります」の看板があがり、そこには見た瞬間に帰りたくなるぐらい大勢の人が! 大仏様を真横に見ながら、足元に降りられる桟道があります。その階段に入るためにみんな並んでいるのです。桟道は狭くて、横に二人並べばいっぱいです。入り口までに約1時間30分。桟道に入ると、自分だけ早く見るということはできません。写真を撮りながら進むので遅いのです。成都に帰るバスは夏場で午後7時です。大仏寺と遊覧船観光をこなすとなると、相当忙しい。時間を気にしながら日帰り? それとも気楽に1泊しますか?

「所要1.5時間」の看板。中国人ツアーのガイドさんが「並ぶと本当に時間がかかって、非常に疲れるので並ばないほうがいいですよ」とお客を説得していました 「所要1.5時間」の看板。中国人ツアーのガイドさんが「並ぶと本当に時間がかかって、非常に疲れるので並ばないほうがいいですよ」とお客を説得していました