憧れの地、チベットは今、ますます遠くなった

チベットと聞くだけで、抜けるような青い空とヨーロッパやインドのお城とも違う独特の雰囲気を持つポタラ宮殿が思い浮かびます。大自然や仏教好きの旅行者にとって、チベットはいつか行ってみたい憧れの地です。チベットと言ってもその範囲は広く、中国の西部にあるチベット自治区とそれ以外での場所でチベット人が多く住むチベット自治州があります。ポタラ宮殿があるのはチベット自治区の省都、ラサです。今、このチベット自治区に旅行者が行くのが大変難しくなりました。ツアー形式でないと、入れないのです。

チベット自治区に行かなくてもチベット文化を満喫できる夏河に滞在 チベット自治区に行かなくてもチベット文化を満喫できる夏河に滞在

ラサよりもチベット文化が残っている甘粛省の小さな町

日本人に人気があるのは、四川省成都のゲストハウスでツアーに参加する方法です。人数が集まるかどうかの問題もあり、時間がない人にはおすすめできません。時間がなくても簡単に行けて、チベット好きの日本人や欧米人旅行者も多いおすすめの場所があります。中国の西から2番目の細長い省、甘粛省にある甘南チベット族自治州です。なかでも夏河は、「チベット自治区のラサよりもチベット文化が残っている」と言われている小さな町です。町の東西を黄河の支流、大夏河が流れ、北側にはチベット仏教の大寺院のラプラン寺があります。その大きさは、ラプラン寺そのものが夏河の街ではないかと思うほどです。

チベット人がいっぱいの夏河での過ごし方

ラプラン寺内部の観光ができるのは午前中だけです。まずはラプラン寺に行ってみましょう。86万という広い敷地内には金色の屋根をした大金瓦殿、八大仏殿などの仏殿や茶色と白の角ばった建物が散らばっています。その間をれんが色の衣を着た僧侶が歩いて、まさに門前町という感じです。また、ラプラン寺の裏側は山沿いの巡礼路になっていて、朝晩、巡礼するチベット人が行ったり来たりしています。このチベット人巡礼者に交じり、ラプラン寺の境内を歩き回るのが楽しいのです。夏河は人口の約8割がチベット人だと言われています。それだけにメインストリートの人民路を歩いているのは、民族衣装で決めたチベット人がほとんどです。

旅行者が過ごしやすい小さな町、夏河

夏河の細長い街はチベット人巡礼客が多いせいか、低価格のホテルが数多くあります。欧米人旅行者も多いので、ユースホステルや英語メニューがあるカフェも充実しています。チベット風建物の2階にあるカフェのテラスを陣取り、メインストリートを行き交うチベット人の姿を眺めて過ごすのも夏河の楽しみ方のひとつです。夏河へ行くには、まず北京や上海から飛行機で蘭州をめざします。蘭州からは南バスターミナルで夏河行きの直通バスにのれば、約4時間半で到着です。チベット文化が色濃く残っている夏河、短い滞在でもチベットを満喫できますよ!