何回食べても、素直においしいとは言いにくい「油茶」

「今日、会理で食べた油茶が、日本人にもあいそうな味付けじゃない?」。何回食べても、どこで食べてもわからなかった「油茶(ヨウチャ)」のおいしさが初めてわかりました。油茶は、中国各地で食べられる伝統的な朝ごはんです。「なんで、これが朝ごはん?」のような見た目と味なのに、名物朝ごはんなのです。しかも場所によって見た目が全然、違います。おもしろい料理ですが、多くの私の友人の日本人には、理解不能だったようです。食べた瞬間に「おいしいっ!」と言いきれるような味でもなく、まずくはなくても、好きという日本人もいない気がします。2017年2月に四川省南部の会理古城で食べた油茶は、眼からうろこのおいしさでした。

陝西省西安の油茶。日本人には、どうしてもおいしく見えない色あい。ほど良い塩味で慣れるとおいしい 陝西省西安の油茶。日本人には、どうしてもおいしく見えない色あい。ほど良い塩味で慣れるとおいしい

2種類のもので成り立っている油茶

私が油茶を食べたことがあるのは、陝西省西安、河南省洛陽、広西壮族自治区桂林、四川省会理の4か所です。油茶は、中国南北のかなり広範囲で食べられます。名前は油茶でも、どの町のものも見た目が全く違うので、同じ料理とは思えません。ただ、どの町の油茶も2種類のもので構成されています。一つは、「果子(グオズ)」と呼ばれる小麦粉生地を小さく切って、カリカリに揚げたものです。もう一つは、日本に似たような食品がないので、説明が難しい。さらっとした汁ではなく、こってりトロトロのお汁粉のようなものです。ここに油がたっぷり入っているので、油茶と呼ばれるのかもしれません。

洛陽の油茶。油で揚げた果子が、やや油っこい。見た目がかわいくて何度もトライしてみても、よくわからない味 洛陽の油茶。油で揚げた果子が、やや油っこい。見た目がかわいくて何度もトライしてみても、よくわからない味

日本人の口にあう四川省会理の油茶とは?

会理名物の油茶の原料は、お米です。煎った米粉にゴマ油、花椒油、塩を入れて練り、ここにカリカリに揚げた果子を入れて食べます。カリッと香ばしい果子と、ほどよくスパイシーなお米で作った部分がベストマッチ。これは、今まで食べた油茶の中で一番、日本人の口にあいます。初めて心から油茶を美味しいと思いました。会理の油茶には2種類あり、原料がお米のほかに豌豆のものもあります。豌豆で作ったものは、お米で作ったものより色が薄く、花椒油ではなく、ラー油をいれて食べます。

会理の油茶は、上にかかった果子がとにかくおいしい。香ばしい粉の味だけでいくらでもたべられそう。 会理の油茶は、上にかかった果子がとにかくおいしい。香ばしい粉の味だけでいくらでもたべられそう。

中国各地の油茶を食べてみよう!

西安の油茶は、小麦粉で作ったものですが、中華街でおなじみの揚げ菓子「麻花」を入れて食べます。汁を吸って、膨れた麻花が主食のかわりです。洛陽の油茶も原料は小麦粉です。味付けはややしょっぱめ。中に入った果子が、スカスカで油っこいのが特徴です。桂林の油茶はとにかく個性的。飲むとス〜とするお茶をあられにかけたものです。どれも全然、朝ごはんらしくありません。どの地方の油茶も午後のおやつに食べる人がいるので、午後も売っていますが、基本は朝ごはんです。会理の油茶を初めて心からおいしいと思いましたが、「どうして、これが朝ごはん?」の謎は解けていません。日本人には、難しい味付けの油茶ですが、中国の朝ごはんの豊富さにびっくりすること間違いなし。見かけたら、ぜひ、お試しあれ!

広西壮族自治区桂林の油茶。これだけでは物足りないので朝は、お餅などと一緒に食べるのが定番 広西壮族自治区桂林の油茶。これだけでは物足りないので朝は、お餅などと一緒に食べるのが定番