眺めがいいだけでは、私の中では100点はあげられない中国の古鎮

「景色も古い街並みも文句なしなんだけど、ただ、ごはんが・・・」。写真通りの雰囲気のある古鎮でも、ごはんの選択肢がないと、私の中ではちょっと評価が落ちてしまいます。私の場合、名物料理も古鎮や古城の大きなポイントの一つです。しかも名物料理は、麺やビーフン、餅(粉もの)など、ひとりで食べられる小吃(軽食)がいいのです。そこでしか獲れない魚料理など、興味はあるのですが、一人ではなかなかトライできないので。私にとって、本当に行って楽しい古鎮は、古い街並みがしっかり残っていて、街歩きが楽しく、いろんな名物料理のつまみぐいができるところです。最近、私の評価で100点満点の古城に出会いました。四川省南部の会理古城です。

会理古城の鼓楼は、清代の雍正12(1734)年に建てられたもの。修復工事がいまひとつで妙に新しい感じがしてしまっている 会理古城の鼓楼は、清代の雍正12(1734)年に建てられたもの。修復工事がいまひとつで妙に新しい感じがしてしまっている

会理古城で有名な名物米粉を食べてみました!

四川省南部にある会理古城は、涼山イ族自治州の州都である西昌からバスで約3時間のところにあります。雲南と四川の省界に近く、成都よりも雲南省の麗江のほうが行きやすいため、四川と雲南の文化が混じっているようなところです。そんな会理古城は、名物料理が多い美食の町として知られています。有名なのは、「羊肉米粉(ヤンロウミーフェン)」です。こってりしているはずの羊のスープがあっさり。プルンとした極太の米粉もおいしい。ゆでた羊肉も意外とたっぷり入っているのに、10元(約170円)はお得。写真を撮っていると、地元の人が「絶対、食べてほしい」と、教えてくれた名物料理がありました。それが「鶏火絲米粉(ジーフォースーミーフェン)」です。

羊肉米粉。新疆や青海省の羊のスープは、こってり油っこいので、夏向きではないが、会理のものなら夏も大丈夫 羊肉米粉。新疆や青海省の羊のスープは、こってり油っこいので、夏向きではないが、会理のものなら夏も大丈夫

会理周辺で作られている「火腿」とは?

鶏火絲米粉の火とは、会理の特産品の「火腿(フォトゥイ)」のことです。訳すとハムになりますが、実際の火腿は、生ハムです。鶏火絲米粉は、この火腿とゆで鶏の細切りがたっぷり入った米粉です。中国では、火腿と言えば、薄くスライスして食べるのではなく、主にスープをとるのによく使われます。火腿、鶏肉、豚骨の3種類の材料でとった鶏火絲米粉のスープは、まさに絶品。こってりしてないのに滋味深い味わいでおいしい。また、会理は、アル(食へんに耳)絲(スー)と呼ばれる、米粉の一種でコシのあるタイプが名物です。この鶏火絲米粉もアル絲で食べるのが、会理流らしいですよ。

鶏火絲アル絲。手打ちうどんのような腰があるのがアル絲の特徴。ほど良いしょっぱさの火腿がおいしい 鶏火絲アル絲。手打ちうどんのような腰があるのがアル絲の特徴。ほど良いしょっぱさの火腿がおいしい

会理古城内を歩けば、美味しい名物料理に出くわす!

他にも会理名物の「油茶(ヨウチャ)」も美味しい。煎った米をゴマ油、花椒油、塩で味をつけて食べる会理の油茶は、香ばしくてピリ辛の朝ごはんです。また、木造の商店街が四方に延びる会理古城内を歩いていると、食堂が妙に多い通りもあり、初めて見る食べ物があちこちで売られています。名産の銅の型で一つずつ焼いている「熨斗(ユートウ)バ(米へんに巴)」は、どら焼き風のお菓子。包帯のような薄い生地を丸めて作った肉まん「ジュア(手へんに爪)酥包(スーバオ)」などなど。会理古城は、四川と雲南を結ぶルート上にある重要な宿場町です。東西のおいしいものがこの地を行き交い、その一部が残ったものと思われます。眺め良し、街歩き良し、ごはん良しの会理古城は、私には、100点満点の古城です。

熨斗バは、人気のおやつ。ちょっと甘い味付けで大人にも人気 熨斗バは、人気のおやつ。ちょっと甘い味付けで大人にも人気