雲南省は少数民族の人がいっぱい

中国南部雲南省の省都は昆明です。ここからかつての大理国の古都、大理まではバスで5時間、山間の道を行きます。すると、結構ひんぱんに民族衣装を着た人たちに出くわすようになります。中国には55の少数民族がいて、このうち26の民族が雲南省で暮らしているのです。山間の村で暮らしつつ、農作物や工芸品などを町に持ってきて売りながら、必要な日用品を買って帰るのです。大理はペー族の多い町。白い民族衣装と白い丸い帽子をかぶった女性を見かけます。ほかにも近隣の村々から人々が集まってきています。同じ族でも民族衣装が異なったりしますので、何族なのか、異邦人にはチンプンカンプンなのですが、どの民族衣装も個性的美しく、カッコいいので、つい見とれてしまいます。家の壁に木を縦に割って結わいつけた、たいまつのようなものが売っていました。聞けば、近々「たいまつ祭」があるというのです。

町で売られるたいまつ祭用のたいまつ 町で売られるたいまつ祭用のたいまつ

麗江に行ってみると…

雲南省のたいまつ祭は、大理のペー族、南部に多いラフ族や、プーアル茶を生産するハニ族、広範囲の山岳地帯に暮らすイ族などが、旧暦の6月24日に行っています。豊穣を祝う祭りです。いったいどんなお祭りなのでしょう。僕はその時、旅程の関係上、世界遺産の麗江に行くことにしていました。大理からはバスで5時間です。標高は大理よりもやや高く2400メートル。雪を頂く5596メートルの玉龍雪山がそびえているのが見えます。麗江は、独特の絵文字で有名なトンパ文字を持つナシ族が暮らす町です。バスは新市街に着きました。毛沢東像があります。少し歩くと旧市街の門があり、町中はまるでテーマパークのようでした。緩やかな斜面には水路が流れ、瓦葺の家々が隙間なく建てられています。石畳の道はしっとりとした感じです。家々の軒先には、たいまつが立てられており、この日がちょうどたいまつ祭の日だったのです。

麗江の町に置かれたたいまつに火がつけられていく 麗江の町に置かれたたいまつに火がつけられていく

麗江のたいまつ祭は?

町の中心広場、四方街にはステージが作られ、祭りの準備が最終盤を迎えています。日が暮れ、暗くなってくると、家々の前に立てられた2メートルもあるたいまつに、次々に火がつけられていきます。街灯のない古びた町が、たいまつの明かりで照らされ、幻想的な美しさに包まれます。夜の9時を過ぎた頃でしょうか? 僕は四方街を眺められるレストランの二階のベランダ席に陣取って、ビールを飲んでいました。すると次々にたいまつが町中から集められて燃やされ、高い火柱が漆黒の空に燃え上がります。人々が火の周りで踊っています。火に照らされたみんなの顔が、真っ赤になって浮かび上がります。炎の熱ばかりでなく、人々の熱気も一緒に僕の席まで押し寄せてくるようでした。火の持つパワーにほだされたかのように、町は夜中賑わっていました。なんとも素朴で、いいお祭りでした。