朝ごはんらしくない古都洛陽の朝ごはん

動物性のコクがあるスープにたっぷりの豆腐と春雨、薄揚げ風の豆腐も入っています。かすかに生姜の味もするスープは美味しくて、しかもどんぶり一杯がたった3元(約60円)! この味でこの値段は、物価高の中国では信じられないほどの安さです。感動しつつも「豆腐スープって朝ごはんらしくないなあ」、「なんでこれが朝ごはんなの?」と思ってしまいます。この「豆腐湯(トウフタン)」は河南省の古都洛陽名物の朝ごはんです。日本人の朝ごはんのイメージとは少し違うかもしれません。それどころか南部や沿岸部の中国人が見ても、朝ごはんに見えません。中国の北部や西北部では牛や羊の骨からとったスープは朝ごはんが主流です。南部にはこのようなスープを朝ごはんにする習慣が少ないと言われています。

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洛陽朝ごはんスープいろいろ

河南省は比較的沿岸部に近い大きな省です。洛陽は後漢、三国の魏、西晋など九つの王朝が都としたので、「九朝の古都」と呼ばれています。洛陽でぶらぶら歩きが楽しいのは、古い街並みが残る「老集(ラオジー)」地区です。西門にあたる麗景門の城壁を抜けると、その中は古い街並みの中にレストラン、土産物屋、文房具屋が並んでいます。ここに洛陽名物のスープを出すスープ専門食堂が集まっています。洛陽名物の朝ごはんは豆腐湯だけではありません。「驢肉湯(ロバ肉スープ)」、「胡辣湯(とろみがあるピリ辛スープ)、「牛肉湯」などです。洛陽の名物朝ごはんって、スープばっかりなのです。

洛陽の朝ごはんはスープセットで決まり!

洛陽のスープは、必ず「餅(ビン)」か「餅絲(ビンスー)」と一緒に食べます。餅は素焼きのパンのようなものです。餅絲は素焼きの極薄クレープのような生地を幅2センチ程度に切ったものです。一見、麺のような餅絲をスープに入れると、なんだか汁麺みたい。餅はちぎってスープに入れても良し、スープと交互に食べても良し、食べ方は自由です。粉ものとスープを一緒に食べると、腹もちも良く完璧な朝ごはんです。

洛陽名物は朝、昼、晩スープばっかり!

実は洛陽名物は昼も夜もスープです。昼は「不翻湯(プーファンタン)」、夜は「丸子湯(ワンズタン)」です。不翻湯は緑豆で作った薄い膜が入ったスープです。丸子湯は牛肉だんご入りの臓物スープです。スープはどれも食べられる時間が決まっています。朝ごはんのスープである豆腐湯を昼や夜に食べることはできません。洛陽は夏冬ともに乾燥しているので水が貴重なところです。スープは食事でもあり、水分補給を兼ね備えた便利な食べ物だったのでしょう。日本人にノイメージする朝ごはんとは少し違いますが、洛陽の朝ごはんスープ、ぜひ一度お試しあれ!