中国全土で人気の地方料理と洛陽でしか食べられない水席料理

広西壮族自治区の桂林米粉、雲南省の過橋米線、山東省の黄メン(火へんに悶)鶏米飯は、中国全土で食べられる人気料理です。どれも本当に美味しい。中でも桂黄メン鶏米飯は、ピリッと辛い味をつけた鶏肉とピーマンとごはんのセット。鶏肉とピーマンが入った土鍋にごはんを入れ、混ぜて食べるも良し。桂林米粉や過橋米線とは違い、黄メン鶏米飯は、2000年をかなり過ぎてから流行りだした料理のように思えます。スタートは遅くても、今もものすごい勢いで黄メン鶏米飯を出す食堂は増加中です。2018年5月、中国のニュースサイト「今日頭条」で「水席料理は、どうして洛陽から進出できなかったの?」という討論の特集を見つけました。確かに水席料理は、黄めん鶏米飯とは対照的に洛陽でしか食べられないようです。

洛陽の水席レストラン「真不同」の水席料理コース。写真は二人用 洛陽の水席レストラン「真不同」の水席料理コース。写真は二人用

洛陽名物の水席料理のルーツ

洛陽名物の水席料理とは、全ての料理が、スープ料理という珍しいコース料理です。唐代に始まったと言われ、優に1000年以上の歴史があります。中国でたった一人の女性皇帝である則天武后の宴席料理が始まりだと言われています。宴席料理と言っても、ただの宴席ではありません。皇帝の位に登ろうかという際の宴席料理です。「権力の頂点に上り詰めようかという時の宴席料理なのに、これでいいんかい!」と言いたくなるほど、豪華な食材が使われていません。水席料理って、宴会料理というよりも素朴な料理なのです。

牡丹燕菜。黄色い花のようなものは卵焼き。スープは、酸味がきいている 牡丹燕菜。黄色い花のようなものは卵焼き。スープは、酸味がきいている

老舗「真不同」の水席料理のお味とは?

水席料理は、正式には冷菜8品、熱菜16品の合計24品です。数ある水席料理の中でも最も有名な料理は、「牡丹燕菜」です。つばめの巣に見立てた細切り大根に酸っぱいスープをかけたものです。「連湯肉片」は、片栗粉をまぶした豚肉炒めにきのこや白菜入りのスープをかけたもの。その他の「焦炸丸子」なども全てスープがかかっています。私は、水席料理の老舗レストラン「真府同」に2回行ったことがあります。食べたのは、全24品もあるような正式なコースではなく、全5品程度の簡単なコースです。でも、私の個人的な意見ですが、飽きてしまいました。

水席料理の小さなレストランが集まる洛陽の老街(旧市街) 水席料理の小さなレストランが集まる洛陽の老街(旧市街)

洛陽に行かなくては食べられないから価値がある

胡椒がピリッときき、酸味があるとろみスープは、最初は美味ですが、この味がずっと続きます。全国区に展開できなかった理由は、やはり単調な味だと思います。「今日頭条」の特集でも「洛陽晩報」の記者が同じ意見を述べていました。誰もが食べておいしい料理なら、桂林米粉や黄メン鶏米飯のようにもっと広まったはず。でも、いくら美味しい料理でも、中国のどこに行っても食べられるのは、旅行者から見ておもしろくない。洛陽でしか食べられないほうが、価値あり。水席料理は、全国区には広がりませんでしたが、洛陽でしか味わえません。洛陽に行くなら、水席料理を食べてみませんか!

洛陽の旧市街に行くと、簡単な水席料理コースの看板があちこちで目につく。牡丹燕菜は、全てのコースに入っている 洛陽の旧市街に行くと、簡単な水席料理コースの看板があちこちで目につく。牡丹燕菜は、全てのコースに入っている