山西省祁県の「喬家大院」に行ってみよう!

「贅を凝らせたお屋敷だけど、こういうところで閉ざされた生活をしていたら、息が詰まるかもしれない」と、思ってしまいました。ここは、山西省祁県にある「喬家大院(チャオジャーダーユェン)」です。山西省は北京の西側にある大変、乾燥した土地です。山西省が誇る世界遺産「平遥古城(ピンヤオグーチェン)」は北京より南に位置するものの、乾燥しているせいか、冬の寒さの厳しさは北京以上です。平遥古城から東北約35キロにあるのが喬家大院です。ここは、1991年ベネチア国際映画祭で銀獅子賞に選ばれた映画の舞台となった豪商のお屋敷です。

大作テレビドラマの舞台でもあり、中国人観光客がとにかく多い 大作テレビドラマの舞台でもあり、中国人観光客がとにかく多い

日本でも公開された中国映画

中国映画の巨匠、張芸謀監督が撮った映画は、日本ででも公開されました。主演は、中国を代表する大女優のコン・リーです。舞台は1920年代の山西省です。コン・リーが演じる頌蓮は、父の死後、家が没落してしまったために、学校を辞め、富豪の第4夫人として喬家大院にやってきます。この屋敷では、主が泊まることになった夫人の部屋の前に、赤い灯ろうがともされる決まりでした。その灯ろうが、寵愛の象徴なのです。いつしか頌蓮もドロドロの女の戦いに巻き込まれていき、ついに気が狂ってしまうという物語です。

山西省で生まれた「晋商」とは?

山西省と言えば、今では石炭産業で知られていますが、塩業や金融業が盛んだったところです。古くから山西省の商人は、山西省を意味する「晋」の字をとって「晋商」と呼ばれました。現在は、中国奥地のような印象がある山西省ですが、明清代は、中国の金融業の中心ともいえる場所でした。今も平遥近郊には晋商のお屋敷が残っています。中でも最も有名な喬家大院は、名前の通り喬家の屋敷です。乾隆20年の1756年に建設が始まり、その後、民国時代まで増改築が行われてきました。喬家大院の部屋数は、313間! 総敷地面積10642平方メートル、建築面積4175平方メートルという、とてつもない大邸宅です。

初めてみるゴージャスな「晋商」の世界

大門を通り、敷地内に入ると、映画のシーンそのままに赤い灯ろうがぶら下げられた部屋が並ぶ中庭があります。その奥には、中庭を見下ろすように楼閣が建っています。屋敷の中に入ると、柱の梁や門の上部の彫刻の見事さに圧倒されます。喬家大院は、晋商の財力にものを言わせた大富豪の世界そのものです。今もぶら下がっている赤い灯ろうを見ていると、映画だけでなく、実際にここで繰り広げられたであろう女たちの陰険な世界まで見えてきそうです。平遥に行ったら、喬家大院もお忘れなく。今も昔も中国の大金持ちは、日本の大金持ちとは、ケタ違いだってことがよ〜くわかりますよ!