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海外現地発ガイド通信

失われゆく街のこの瞬間を、文豪と共に歩く


掲載日:2008/11/20 テーマ:観光地・名所 行き先: 中国 / 上海

タグ: 街歩き 歴史


先人が残した足跡をたどる旅

日本人が暮らしていた場所には、日本を思わせるものが数多く残されている。この民家もかつて日本人が住んでいたと、炊事をするおばあちゃんが教えてくれた 日本人が暮らしていた場所には、日本を思わせるものが数多く残されている。この民家もかつて日本人が住んでいたと、炊事をするおばあちゃんが教えてくれた

2007年、それまで不動の地位を築いていたニューヨークを抜き、日本人長期滞在者が最も多い都市となった上海。そんなに日本人がいるの?と思われた方も多いのではないでしょうか。実は地理的に日本からとても近い上海は、2007年よりもっともっと以前から、日本人にとって大変馴染み深い貿易都市として栄えてきました。私たちの祖先が残した足跡が、まだまだ至る所に残るこの街に、あの誰もが知る有名な文豪の面影を訪ねることができます。

大正生まれの紀行文を片手に、今の上海を望む

芥川は日本租界や仏蘭西租界など、様々な場所を訪問しており、当時の紀行文は現在の観光の参考にもなります 芥川は日本租界や仏蘭西租界など、様々な場所を訪問しており、当時の紀行文は現在の観光の参考にもなります

皆さんは『上海游記』というものをご存じでしょうか。これは、大正10年3月下旬から同年7月上旬まで、ある有名な日本人が上海・南京・九江・洛陽・北京などに立ち寄った際の紀行文の一部で、同年8月17日より日本の新聞に連載された物です。この時代に上海を訪れ紀行を連載した人物、それは皆さんもよくご存じの、芥川龍之介です。彼が当時感じた上海の情景や人々の暮らしなどは、現在の上海にも共通点が多く、ガイドブックと共に是非参考にして頂きたい書物の一つです。

当時の面影そのままに

萬歳館跡を見て、ふと振り返ると、すぐそこには上海の象徴『東方明珠』がそびえ立っています。過去と現在の対比は、なんとも言えず不思議な光景です 萬歳館跡を見て、ふと振り返ると、すぐそこには上海の象徴『東方明珠』がそびえ立っています。過去と現在の対比は、なんとも言えず不思議な光景です

【此処から余り遠くない萬歳館へ移ることにした】※ 上海を訪れた芥川は、当初宿泊を予定していたホテルがあまり気に入らず、萬歳館へ移ったと記しています。場所は日本人街として栄えた虹口区で、なんと現在も住居としてその姿を残しています。建物自体の老朽化がかなり進んでいますが、3階建ての外観は、時代を感じさせない鮮やかな赤煉瓦で、当時の優美さと人々の生活の様子が体の中まで沁み入るような面持ちに、感動の表わしようがないほどです。旅館の創業は1904年ですが、当時は大勢の人々が目を奪われる素晴らしい建物だったに違いありません。またこの萬歳館は佐藤春夫が宿泊したことでも有名です。

『もっと早く来ればよかったと思いました』

中国の風景から突然現れるインド風建築の西本願寺跡は、東京の築地本願寺をモデルに作られたとされている 中国の風景から突然現れるインド風建築の西本願寺跡は、東京の築地本願寺をモデルに作られたとされている

【今回初めて支那へ渡りましたが、来て見るとモツト早く来れば好かったと思ひました。支那は早く来ないと時と共に段々古いものが破壊されて行きます。】※ 当時こう記した芥川の言葉通り、現在萬歳館跡周辺も開発が進み、古き良き日本租界の風景が急速に失われつつあります。虹口区は萬歳館以外にも、『西本願寺跡』や魯迅の主治医須藤五百三(いおぞう)が開院した『須藤医院跡』などが残っていますが、特に保護されているわけでもなく、いつ開発の波に飲まれるとも分からないのが現状です。文学・あるいは租界に興味がある方は、一日でも早く足を運ばれることをお薦めします。

【関連情報】

■萬歳館跡
住所 虹口区 長治路×ミンハン路
アクセス 人民広場よりタクシー約20分
(萬歳館は現在も民家として使用されていますので、中へ入ることはできません)
■西本願寺跡
住所 虹口区 武進路×乍浦路
アクセス 地下鉄4号線宝山路駅よりタクシー約10分
(中に入ることはできません)

※『上海游記』より引用

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/11/20)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
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