中国の一都市上海ですが、その存在感と個性は飛びぬけています。通りを行くと中洋折衷の上海が広がります。
近代的なのになぜか懐かしい時が流れる上海
2010年5月から万博も開催される上海は、言わずと知れた国際的な大都市です。近代的なビルがどんどん建築され、地下鉄も縦横無尽に広がっています。しかしこの街は、どこかノスタルジックで、日本人の私でもとても懐かしさを感じます。それは恐らく昔からある建物を今もそのまま使っているところが多いからで、車窓から見る景色も、通りを散歩する時にも必ずと言っていいほど味のある風景がそこにあるのです。今回はそんな上海の生活空間に迷い込んだようなスポットをご紹介します。
泰康路にある田子坊入口。ここからは観光客とともに田子坊内に住んでいる人たちも出入りしている。
新天地にほど近い場所にある田子坊
市内に建国中路という通りがありますが、この周辺は上海を代表する出版社が集まり、民家も多い場所です。民家と言っても、日本でよく見るマンションや一戸建てではなく、上海の伝統建築である石庫門です。昔ながらの赤レンガで建てられた家が多くあるこの地区ですが、近くには同じく石庫門を利用し連日観光客でにぎわう新天地もあります。今回ご紹介する田子坊は新天地とは少し違い、上海の人たちの生活空間にぐっと入り込んだ、おすすめのアートエリアなんです。
どこからどこまでが店舗で、どこからが民家なのかよく分からず、「おじゃまします」と思わず言ってしまいそう。窓辺には住人が育てているであろう植物もあり、とてもアットホームな空間が広がる。
田子坊おススメ最大の魅力は?
田子坊は古民家と工場跡地を利用したアートスポットで、場所も建国中路と泰康路の間とちょっとした広さがあります。外国人を中心にとても人気が高いのですが、現在も店舗として貸し出しているところと、そうでないところがあるため、頭上には洗濯物が干してあったり、お年寄りが九官鳥自慢をしていたりと、上海の下町情緒たっぷりのエリアです。この若干手を加えてない感じ、これこそがまさに田子坊最大の魅力と言え、路地を進み覗き込んで見ると民家だったり、思いがけず素敵なショップを見つけてしまったりと、楽しみは倍増すること間違いありません。
色々な店舗が軒を連ねる。民族雑貨やギャラリーを見渡せるように、沢山のオープンカフェが営業している。中にはお酒のオーダーもできるお店もありますよ。
ここにしかない個性的なショップを見つけよう!
このエリアはもともと1999年に、あるアーティストがアトリエを開いてからのスタートだったので、私が初めて行った時はギャラリーがいくつもあるアート色の強い場所だったのですが、現在はカフェやBAR、レストランや雑貨屋さんなど様々なお店が営業しています。その数は私が数えただけでも大小ざっと100店舗!中には日本人が経営しているお店もあるんです。天気のいい日は路地にずらりとオープンカフェのパラソルが広がります。中でも「Kommune」は人気のカフェでいつも賑わっています。お店は夜も営業していますので、昼間は時間がなかったという方も是非足を運ばれてください。
田子坊で出会った九官鳥自慢のおじいさん。上海の民家では本当によく軒下に下げられた鳥カゴを目にします
【関連情報】
■田子坊
住所:上海市盧湾区泰康路210弄(建国中路と泰康路の間)
アクセス:地下鉄1号線陜西南路駅より徒歩約20分
■Kommune(公社)
住所:泰康路201弄4合院7号
電話:021-6466-2416
時間:7:30〜24:00(金・土は翌1:00)
※田子坊内各店舗により、営業時間・休日が異なります。
※田子坊入り口はいくつかあります。建国中路2か所・泰康路3か所ありますが(私が確認した限りですので、もしかしたらもっとあるかもしれません)、泰康路側入り口には大きな「田子坊」の文字がありますので、比較的分かりやすいと思います。
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