小龍包子に負けないぐらい美味しい! もうひとつの上海名物

今や上海名物と言えば、小龍包子が一番有名です。テレビの旅番組でレポーターが、熱々のスープがつまった小龍包子をハフハフと食べるシーンはすっかりおなじみになりました。この小龍包子と並んで、地元上海人にも旅行者にも人気が高いのは「生煎饅頭(ションジエンマントウ)」です。ちょうど小龍包子を鉄板で焼いたようなものです。油をひいた鉄板で表面をカリッと焼いたら、お湯をたっぷり入れて蒸し焼きにします。きつね色に焼きあがった生煎饅頭は表面はカリカリ、中はふっくら、肉汁ジュワ〜ッと感動もののおいしさです。しかも小龍包子よりずっと安いので、人気があるのも納得です。

ちょっと甘いのが美味しい、懐かしの上海の味 ちょっと甘いのが美味しい、懐かしの上海の味

上海名物を食べていたら、ふと気づいた

この小龍包子と生煎饅頭を食べていると、美味しい中にもふと、気づくことがあります。「あれっ、肉が甘い」、「肉汁が甘め」と思うはずです。このちょっと甘いが上海の味です。中国南部の沿岸部にある上海は、農産物と海産物に恵まれた平野です。豊かな食材と醤油、酒、酒かす、砂糖、麦芽糖を使ったこってり甘い味が特長だと言われています。中国は広東省を除けば、日本人には、どの地方も味付けは濃いめです。同じ濃いでも上海は、こってり甘めのおしょうゆ味なので日本人向きです。

伝統的な上海の味ってどんな味?

こってり甘目のおしょうゆ味と言えば、「排骨年糕(パイグーニエンガオ)」です。薄く切ったお餅を炒めたものに、揚げた豚スベアリブをのせ、甘いお醤油味のソースをかけたものです。お餅にスペアリブの組み合わせって、ピンときせんが、これが不思議と美味しいのです。排骨年糕は、もともと浙江省の常熟の名物ですが、上海ッ子が「懐かしの上海の味」と言うほど、日常的に食べられてきました。今、この懐かしの上海の味が危機に瀕しています。

地方の味に負けちゃいそうな上海の味

上海ッ子は「上海は『東北餃子』と『桂林米粉』ばっかりになっちゃった」と言います。中国の東北地方からやってきた人が開いた餃子専門店と南部の桂林名物の米粉(ビーフン)の店がどんどん増えています。確かに上海の繁華街に行けば、桂林米粉の看板が目につきます。こんな上海で今も簡単に食べられる上海の味は「生煎饅頭」です。安くて美味しいので、専門店が増え続けています。1日中食べられますが、朝ごはんに食べるのが本場上海流。上海に行ったら、生煎饅頭のちょっと甘い肉汁に懐かしの上海の味を感じてみてくださいね。