巨大おにぎりの具は意外なものだった

つやつやと輝く巨大なもち米のおにぎりをかじると中から出てくるのは油条! 油条は中国の揚げパンです。おにぎりの中に揚げパンを入れるセンスは日本の焼きそばパンと通じるものがあります。主食プラス主食でとにかく重い! お腹にきますが、この揚げパン入り巨大おにぎりの組み合わせが感動的においしい! 油条には砂糖入りのピーナッツの粉がかかっています。熱々のもち米に砂糖が溶け出して、油条や米に染みわたり、一層おいしくなります。これは上海の朝ごはん「粢飯(ツーファン)」です。

中国の朝ごはん(2) 南北両方の食文化を楽しめる上海 中国の朝ごはん(2) 南北両方の食文化を楽しめる上海

スープ入りひとくち肉まんは上海の朝ごはん

昼と夜は毎日、違うものを食べるのに朝ごはんだけは決まったものを食べます。これは日本も中国と同じ。といっても、中国はとにかく広いので、南部と北部では主食が異なります。そのため、朝ごはんと一言でくくれないぐらい地方色が豊かです。中国の朝ごはんは世界で一番、豊かな朝ごはんかもしれません。なかでも上海は米を主食とする地域ですが、小麦が主食の北部も近いので両方の食文化を楽しめます。上海の粉ものの朝ごはんと言えば、小籠包や一口焼き肉まんの「煎餅饅頭(ションジェンマントウ)」です。どちらも極薄の小麦粉生地に熱々のスープが入った一口タイプの肉まんです。

外国人には知られていない美味しい朝ごはん

観光客にも地元っ子にも人気があるのは、小籠包と煎餅饅頭です。湯気があがる蒸籠や大きな鉄板で蒸し焼きにする様子はいかにもおいしそう。それに比べて、おひつや炊飯器から取り出したもち米を握るだけの粢飯は地味です。でも粢飯には根強い地元のファンがいます。粢飯はテイクアウト専門の朝ごはんです。蒸したもち米が入っている巨大なおひつを置いていたら、そこで粢飯を売っています。最近は粢飯を売っているような下町が再開発で減ってしまい、なかなか粢飯を食べられません。粢飯は30、40代の上海人には子供の頃、学校の周辺でよく売られていた懐かしの味でもあるようです。

料理名は変だけど、美味しい朝の豆腐料

粉もの、ごはんもの以外の上海の朝ごはんと言えば、「豆腐脳(トウフノウ)」です。ふわふわの豆腐にお醤油ベースのとろっとしたスープをかけたものです。中国全土で食べられるので、国民食のような料理ですが、地方ごとに味が変わっているんですよ。内陸部で食べると辣油たっぷりでかなり辛めです。上海で食べると、搾菜、干しエビ、海苔入りのあっさり系です。搾菜と干しエビの塩味がほどよく、湿度が高くて過ごしにくい上海の夏でも食べられそう。広東や福建省ほど南部でもなく、北部でもない上海は南北の両方の食文化を楽しめます。なかなか見つかりませんが、巨大おにぎりの粢飯を見つけたら、ぜひ、食べてみてくださいね!