揚げたて熱々の誘惑に勝てない油条

もう朝ごはんを食べたのに、出会ってしまいました。揚げたて熱々の油条が、油を切るざるの上にのせられた所を見てしまったら、思わず「我要一個(1本ください)」。あっと言う間に食べ終わると、「上海で油条を食べる必要は、全くないんだけど」と、自分のいやしさをちょっとだけ反省。旅先では、できるだけその町でしか食べられないものを食べようと思っているので。「油条(ヨウティアオ)」は、日本人にもすっかりおなじみになった中国風の揚げパンです。長江を挟んで、南北で主食が異なる中国では、南北で朝ごはんも異なります。主食の違いを超えて、油条は中国全土で食べられている、国民的朝ごはんです。

油条は、スカスカ生地よりもしっかり生地のほうが美味しい 油条は、スカスカ生地よりもしっかり生地のほうが美味しい

今や一部は懐かしの味! 上海の名物朝ごはん

上海の朝ごはんと言えば、秋葉原でも人気の「生煎饅頭(ションジェンマントウ)」です。これは、一口焼き肉まんです。カリッと焼けた生地をかじると、肉汁がジュワーッと激うまです。鶏のスープで炊いた「鶏粥(ジージョウ)」、もち米で作った「ツー(次の下に米)飯(ファン)」も有名。ツー飯は、もち米の中に油条や漬物を入れて握った特大おにぎりです。学校の前に自転車で売りに来るケースが多く、最近ではすっかり珍しくなってしまったので、上海人にとっては懐かしの食べ物です。上海名物の朝ごはんって、ちょっと思い出すだけで3つも出てきました。それなのに、揚げたて熱々に弱くて、つい油条を食べてしまいます。

生煎饅頭は、酢をかけて食べると、さっぱり。中の豚肉は、上海らしくちょっと甘い味付け 生煎饅頭は、酢をかけて食べると、さっぱり。中の豚肉は、上海らしくちょっと甘い味付け

葱入りなのに、葱嫌いの私でも食べられる「葱油餅」

「そんなに油で揚げた粉ものが好きなら、『葱油餅(ツォンヨウビン)』を食べたらいいんじゃない?」って、上海人は思うに決まってます。葱油餅が簡単に見つかるなら、私だって、そうしたい! 葱油餅とは、葱入りの丸い揚げパンです。正確に言うと、たっぷりの油で揚げるように焼いたものです。葱類が好きでない私が美味しいと思うのですから、葱好きならもっと美味しく感じるはず。小麦粉生地にはラードが入っているので、焼くと表面はサクサク、中はふっくら。葱のにおいも強くはありません。細長く伸ばした生地をくるくる巻いて、丸く形作っているので、ちょっとパイ風。油条よりも生地がしっかりしているので、食べ応えもあります。

ちょっと分厚めの葱油餅。けっこうなボリュームなので1個でおなかいっぱい! ちょっと分厚めの葱油餅。けっこうなボリュームなので1個でおなかいっぱい!

葱油餅は、今は上海の懐かしの味?

しかも、この葱油餅、何かと物価高の上海でとにかくお安い! 1個3〜5元(約51〜85円)です。厚み1.5センチもあるような厚いものと1センチあるかないかの薄いものがありますが、私は厚めが好みです。ああ、また、食べたい。2000年代後半頃までは、葱油餅のお店はよく見かけたのですが、最近はなかなか見つかりません。葱油餅のお店と言えば、小さくて年季が入ったお店ばかり。こんなお店は、上海中心部の路地裏からどんどん出ていってしまいました。検索すれば場所はわかりますが、人気店は長蛇の列なので、なかなか買えません。葱油餅は私にとって、懐かしの上海の味になってしまいました。上海でもし葱油餅を見つけたら、ぜひ試してみて下さいね! サクサク、カリカリが好きなら、はまりますよ!

葱油餅を売っているお店は、こんな小さなところがほとんど 葱油餅を売っているお店は、こんな小さなところがほとんど