もう一度行きたい! 上海の「四如春食府」

もう一度、行ってみたいけれど、行けないままになっている食堂やレストランってありませんか? 私の場合、上海の「四如春食府」です。変化のスピードが速い中国の中でもトップクラスに速い上海の食堂なので、もうなくなっているかもしれないと思っていました。それが、今も同じ場所で、私が行っていた2010年頃と同じ看板のままで営業していることが、つい最近、わかりました。「悦食」と言う食をテーマにした中国の雑誌があります。2017年9月に発売された25号は、中国各地の麺館の特集号でした。麺館とは、麺の専門食堂のことです。その中に「四如春食府」が4ページにもわたる特集記事で紹介されていました。

四如春食府(上海市普陀区石泉路72号、02-62143292)地下鉄7号線「鎮坪路」4番出口から徒歩7,8分 四如春食府(上海市普陀区石泉路72号、02-62143292)地下鉄7号線「鎮坪路」4番出口から徒歩7,8分

本当の上海の味を楽しめる四如春食府

四如春食府は、麺館と言うよりも上海料理も出す食堂ですが、上海の名物麺も食べられます。石泉路という上海駅の西側のやや北と言う、外国人旅行者がほとんどやって来ない通りにあります。そんなお店を私が知っているのは、上海人が「本当の上海の味を知りたいなら四如春(食府)に行くといいよ」と教えてくれたからです。行ってみると、ご近所さんらしき上海人でいっぱいの食堂でした。物価高の上海なのに、安くて、本当においしい。それから上海の名物麺を食べるために、何度も通いました。夜は、指さしておかずを選び、トレーに入れてもらう「客飯(クーファン)」が人気で、昼も夜も行列ができているお店でした。

上海冷麺。ゆでたもやしは、一番安いトッピング。一番高いのは、田うなぎを炒めたもの 上海冷麺。ゆでたもやしは、一番安いトッピング。一番高いのは、田うなぎを炒めたもの

上海名物の冷麺と冷フントンとは?

「悦食」25号で紹介されていたのは、四如春食府の「冷麺」と「冷フントン(食へんに昆、食へんに屯)」です。どちらも夏の到来を知らせる上海名物です。中国では冷麺と言っても、冷たいわけではなく、ゆでた後、そのまま冷ました常温の麺です。日本人にイメージできないのは、冷麺よりも「冷フントン」のほうだと思います。「フントン」とは、ワンタンのことです。これも冷麺と同じ様にゆでた後、そのまま冷ましたワンタンです。冷麺も冷フントンも同じタレをかけますが、それが変わっています。中国では、冷麺と言えば、朝鮮族の冷麺を除いて、どの地方でも汁なしの混ぜ麺です。タレは、芝麻醤と呼ばれる胡麻ペーストを加えた胡麻ダレの地方が多いのですが、上海は、ちょっと珍しいタレです。

冷フントンは、ストレートにピーナッツダレを楽しめる料理。胡麻ダレ同様、タレ全体がまろやかだけど奥行きがある辛さになる 冷フントンは、ストレートにピーナッツダレを楽しめる料理。胡麻ダレ同様、タレ全体がまろやかだけど奥行きがある辛さになる

本当の上海の味を知りたいなら四如春食府に行こう!

冷麺も冷フントンも醤油、辣油、米酢に花生醤と言うピーナッツソースを加えたタレで食べます。上海人は、ピーナッツダレ好きなので、花生醤は、上海冷麺の魂と言われているそうです。四如春食府の上海冷麺も冷ワンタンもとにかく人気があります。特に上海冷麺は、もやし、ピリ辛の豚肉炒め、田うなぎなど、トッピングの種類が豊富。私が四如春食府に通っていた頃、冷麺も冷フントンも全く気にかけず、鶏肉に見せかけた大豆制食品をのっけた精進麺のほうに注目してました。今頃、四如春食府の冷麺と冷フントンが有名だったと知るなんて、2018年の夏は、そろそろ上海に行けってことかもしれません。上海で名物麺や上海料理を食べるなら、上海人が「本当の上海料理」と勧める四如春食府に行ってみませんか!