経験を積めば、旅先で話しかけてくる人をうまく扱えるようになる?

外国を旅していると、ときによからぬ魂胆をもって話しかけてくる人がいます。お金をだまし取ろうとしたり、ものを買わせようとしたり、もっと別のものが目的だったりすることがあります。しかし旅行初心者の時代はともかく、長く旅を続けていると、次第にやってくる人を見分け、断るのにも慣れてくるものです。実際はいい人の可能性がない訳ではなくても、自分自身の気持ちに負担がかかる付き合いはしないようにするというほうが正しいでしょうか。「この人は何か魂胆があるんじゃないか」と怪しみながら人と一緒にいても、旅が楽しめないからです。

うまい話しかけ方に思わずついて行くと…。上海でよくあるという騙しの手口 うまい話しかけ方に思わずついて行くと…。上海でよくあるという騙しの手口

よい人、悪い人は話しかけ方の「自然さ」によって見分ける

とはいえ、話しかけてくる人をすべて避けているようでは、せっかくの旅先での出会いも台無しになってしまいます。私が外国で見知らぬ人と話す際、相手を信用するかしないかの重要な判断材料としているのが、話しかけ方です。たとえば道を歩いていて、いきなり「どこへ行くの?」「オー、フレンド!」などと大げさな身振りで話しかけてくるような人は、とても信用できません。一方、こちらから道を聞いた人だったり、列車の席が近かったり、ふとした拍子に目が合って微笑み合って会話が始まったり、要するに自然な感じで交流が始まり、相手が女性や家族連れだったりすると、しばらく話して楽しいひとときを過ごすことが多いです。

上海での出来事

こういう態度で長いこと旅をしてきて、ここ何年もずっと大きな失敗はなかったのですが、最近訪れた上海でちょっと危うい出来事がありました。上海博物館を見学し、終わって外へ出たところで、若い中国人のカップルに「写真を撮ってくれ」と頼まれたのです。撮ってあげると「どこから来たの? 僕たちは杭州からだ」などと自然に話が始まりました。行く方向が同じだったので歩きながら日本の俳優などについて話をし、しまいに「一緒にちょっとお茶をしないか」ということになりました。最近やっと片言でしゃべれるようになってきた中国語で、多少なりとも会話ができているというのもうれしく、少し得意になっていたのでしょう。

あとで知ったお茶屋での手口

このときまでは、とくに疑いの気持ちはありませんでした。ところが彼らは細い道をどんどん行き、少し寂れた市場のような建物の2階にある、小さくて伝統的なお茶屋に入ったのです。話をするだけなのにわざわざこんな所に来るのは、どう考えても不自然です。私を真ん中に挟み、狭い部屋に3人で座ってメニューを見せられたとき、一瞬どうしようか悩みました。ついにこの状況ではとても楽しめないと思い、半ば強引に出てくると、幸い引き留められはしませんでした。後で知ったところによると、上海にはこんな風にお茶屋に連れて行かれ、あとで高額請求される詐欺が多いとのことです。私が見せられたメニューの値段は普通だったので、どういう手で高額請求をするつもりだったのかはわかりませんが、出会ったときの自然な感じには、さすがに騙されました。上海の観光地で、「写真を撮ってください」と話しかけてくる人たちには、注意したほうがよさそうです。