広東省東部の潮州市ってどんな町?

「なあんだ。こんなに明清代の建物が残っているなら、昨日、慌てて写真を撮るんじゃなかったなあ」。古い街並みが残っている地区って、どの町でも、写真を撮りたくなります。屋根の形、門の装飾などなど、どこを見ても特徴があります。中国南部の広東省東部の潮州は、日本人の口に合うあっさりとした潮州料理の本場です。日本人には、刺繍で有名な汕頭のお隣と言ったほうがわかるかもしれません。潮州は、こじんまりした歩きやすい町で、その古い街並みが老城区(旧市街)にある、「甲第巷(ジャーディーシャン)」です。

上から見た甲第巷。周辺もみんな明清代の家 上から見た甲第巷。周辺もみんな明清代の家

潮州旧市街の「甲第巷」とは?

南宋(1127〜1279)の時代、潮州の政治の中心が老城区の南部に移ってきました。その頃、官僚や商人が集まって住んだのが甲第巷の始まりです。約280メートルの細い路地は、軽自動車がなんとか1台通れるほどの幅しかありません。この路地の両脇には潮州の古民家が並んでします。屋根につながる壁の部分が、小さく突き出した古民家は、広州周辺で見られる古民家とは明らかに違います。広州周辺では、同じ部分が大きく丸く飛び出した形になっているのです。前日、ここを訪れた私は、「明日はのんびり見る時間は、ないかもしれない」と思い、大慌てで甲第巷の写真を撮りました。

「甲第巷」を歩いてみよう!

現在、甲第巷に残っている民家は、明清代に建てられたものです。今も住人が住んでいるので、ほとんどの家の中は見ることはできません。家は住む人次第と言いますが、出稼ぎ労働者が、仮の家と割り切って、古民家に住んでいるのではなく、どの家も大切に住まわれていることがわかります。地元の人が代々、住み続けているらしく、保存状態がとてもいいのです。そんな明清代の古民家が、潮州の老城区にはあちこちに残っています。何も甲第巷にこだわらなくても良かったのです。

潮州の古民家に住んでいる人たち

地方都市の古民家は、外国人旅行者には魅力的ですが、実際に住むとなると、かなり不便です。トイレは共同で、シャワーは工事をしてつけないとだめだったりするので。地元の人は、現代的なアパートやマンションに引っ越してしまい、今も古民家に住んでいるのは、低所得の人や出稼ぎ労働者ばかりなんてケースもあります。そうなると、家は荒れ放題で、古民家の良さがなかなか伝わってきません。その点、潮州の古民家からは、荒れた感じが一切しないのです。今後も、この風情ある街並みが残っていく姿が見えるようです。