実は日本人は臭豆腐好き?

少し離れたところでそれを売っている屋台や食堂があるだけで、わかってしまうあの臭い。臭い料理と言えば、もちろん臭豆腐(チョウドウフ)です。台湾の夜市や中国の屋台や食堂では定番のスナックです。テレビの旅番組では、取材に行った女優さんやタレントが大げさに「すごいにおい!」を連発します。このにおいが苦手な人もいますが、一度食べてから、好きになってしまったという日本人も多いのでは? 中国では臭豆腐の本場は浙江省の紹興と湖南省の長沙です。本当に臭い臭豆腐を求めて、上海から高速バスで簡単に行ける紹興に行ってみました。

すごいにおい! 本当に臭い臭豆腐を求めて紹興へ すごいにおい! 本当に臭い臭豆腐を求めて紹興へ

紹興バスターミナルに充満するあのにおい

紹興に行くことに決めた訳は友人のこの言葉です。「紹興のバスターミナルでバスを降りた瞬間から、公衆便所のにおいがしているよ」。そんなにすごいにおいの臭豆腐なら、食べなくては! 沿岸部の浙江省にある紹興は紹興酒で有名です。作家の魯迅のふるさととしても知られていますが、水郷が今も残っている美しい都市です。臭豆腐がどこで売られているかわからなくても、きっとにおいが道案内をしてくれるはず。でも、友人が紹興に行ったのは10年以上前、今の紹興はその頃からすれば、都会になりました。臭豆腐もあまり臭くなくなっているのでは?

すごいにおいの臭豆腐を求めて紹興へ

紹興バスターミナルにつくと、ワクワクとバスを降りました。「あの強烈なにおいはどこに行ったんじゃ〜!」と怒りたくなるほどでした。紹興のバスターミナルは、周辺にほとんど建物がない郊外に移転していたのでした。とりあえず紹興の繁華街や魯迅記念館のあたりを歩き回りましたが、あのにおいはありません。魯迅記念館の周辺は古い街並みを再現したところです。ここではもちろん観光客に臭豆腐を売っていますが、あまり臭くないです。がっかりして、紹興の町を歩き回るうちに、古い家や商店が集まるところに辿りつきました。そのまま運河沿いの民家の写真を撮っていると、ふいにあのにおいがしてきました。臭っ!

臭豆腐の本場、紹興で出会った臭豆腐

橋のそばの小さな屋台で、おばあさんが古びた中華鍋で臭豆腐を揚げていました。求めていたのはこのにおいです。豆板醤ベースの辛いタレをかけてもらうと、においが和らいだ気がしますが、やはり公衆トイレのそれです。翌日は郊外の安昌古鎮に行ってみました。明代末期に商売の町として栄えた安昌は運河沿いの古鎮です。雨が多い地方特有の屋根がある商店街が、運河沿いに広がっています。観光客の姿もほとんどない古鎮を歩いていると、やはりあのにおいが漂ってきました。再開発が進んだ紹興の中心部からは消えてしまったあの強烈なにおいは、古い街に残っていました。台湾の臭豆腐よりすごいにおいかどうかは謎ですが、確かに強烈な公衆便所のにおいでした。