水がある風景に癒される水郷古鎮

水がある風景って、やはり心が落ち着きます。中国で水がある風景と言えば、運河沿いに村が広がっている水郷古鎮です。上海や蘇州近郊に多く、周荘、西塘、同里、烏鎮などが知られています。そんな水郷古鎮の中でも安昌古鎮は、ちょっとマイナーです。紹興酒で有名な浙江省の紹興郊外にあります。紹興は上海の西南に位置しており、運河が美しい町です。安昌古鎮は、上海からダイレクトで行けないせいか、観光客は少な目です。そのかわり今もひなびた古鎮の風景がそっくりそのまま残っています。2017年8月3日の中国旅游サイトを見ていると、安昌古鎮が「2017年最も行く価値がある9つの古鎮」に選ばれていたことを知りました。

ひなびた雰囲気が美しい安昌古鎮。紹興市内より118路バスに乗り、安昌大酒店で下車 ひなびた雰囲気が美しい安昌古鎮。紹興市内より118路バスに乗り、安昌大酒店で下車

安昌古鎮の商店街を歩いてみよう!

安昌古鎮は、北宋(960〜1127)時代に建設されました。何度も戦禍に見舞われ、明清代に再建され、現在に至っています。依河沿いに築かれた安昌古鎮は、運河の北側が商店街に南側が民居になっています。安昌古鎮の特徴の一つと言われる木造の商店街は、雨が多い地方特有の屋根付きです。古い商店街に敷かれた石畳は、長い年月の間にすり減って、いい感じの丸みを帯びています。商店街には、紹興料理を出す食堂に混じって、手作りの飴屋、木造の椅子が素朴な散髪屋、ままごと道具を売るおもちゃ屋が並んでいます。なんだか70年代や80年代の中国に戻ったような気がしてきました。

ちょっと昔の中国にタイムスリップしたかのような世界が広がっている ちょっと昔の中国にタイムスリップしたかのような世界が広がっている

様々な様式の橋が残っている安昌古鎮

安昌古鎮の見どころは、昔ながらの商店街だけではありません。銀行の役目を果たした「穗康銭庄」や「中国銀行旧址」なども残っています。また、水郷古鎮なので、運河にかかる石橋も見どころの一つです。清代にかけられた橋だと思われますが、橋の両端に立派な欄干があるもの、石板を水平に渡しただけのもの、アーチ型などの橋が見られます。運河の幅が狭いので、石橋は決して大きなものではないのですが、同じ形のものがありません。古びるにまかせた石橋の下を小舟がゆっくりと流れていきます。クリンと丸まった屋根を持つ小舟に乗って、全長1.7キロの安昌古鎮を観光するのもおすすめです。

屋根の形がおもしろい安昌古鎮の小舟。舟から見ると、古鎮の風景も違って見える 屋根の形がおもしろい安昌古鎮の小舟。舟から見ると、古鎮の風景も違って見える

奇跡的に残ったと言ってもいい安昌古鎮

私が安昌古鎮を訪れたのは、ちょうど名物の「臘腸(ラーチャン)」と呼ばれるソーセージを作る時期でした。商店街のあちこちでおばあさんが、手作りソーセージを干している姿が見られました。安昌古鎮って、不思議なほど老人と小さな子供の姿しか目につきません。若い親たちは、近所の工場や会社に働きにでているのでしょうか。安昌古鎮があるのは、紹興市柯橋区の西北部です。柯橋区は、繊維関係の工場などが集まっている工場地帯です。安昌古鎮を一歩出れば、交通量が多い道路が現れ、現代の浙江省の姿に変わります。安昌古鎮がひなびたままの姿で残っているのは、奇跡と言ってもいいぐらい。安昌古鎮が、「最も行く価値がある9つの古鎮」に選ばれたことに納得です。2018年は、安昌古鎮に行ってみませんか!

安昌古鎮名物のソーセージ。古鎮の食堂でも食べることができる 安昌古鎮名物のソーセージ。古鎮の食堂でも食べることができる