ネットの記事で知った浙江省のとある古鎮の近況

自分が行ったことがある観光地の記事を見つけると、「今、どんな風になっているのかな?」と気になりませんか? 中国の場合、自分が行った頃は、マイナーで観光客も少なかったのに、わずか数年で異常なほど観光客が増えて、まるで別の場所のようになってしまう。こんなことが少なくありません。2018年10月上旬、中国のニュースサイト「今日頭条」で「最も味わいがある水郷古鎮! 観光客はみんな長廊に感動! 烏鎮や西塘にも劣らないのに入場料は不要!」という記事を見つけました。この水郷古鎮は、上海に近い浙江省紹興の安昌古鎮のことでした。

紹興市内中心部から118路バスで「安昌大酒店」下車。本数も多いので、紹興市内から余裕で日帰りできる 紹興市内中心部から118路バスで「安昌大酒店」下車。本数も多いので、紹興市内から余裕で日帰りできる

烏鎮や西塘にも負けていない安昌古鎮

安昌古鎮は、紹興酒で有名な紹興西北部にある水郷古鎮です。運河沿いには、1.7キロにも及ぶ木造の商店街といくつもの石橋があります。ひなびた雰囲気が本当にいい感じで、私は2回行きました。最後に訪れたのは2011年。私が行く少し前に中国国営放送の中央電視台で安昌古鎮の特集が組まれたので、古鎮のそばには大きな駐車場ができていました。今頃は、きっと人気観光地になっているに違いありません。それが今日頭条のニュースを見て、びっくり。烏鎮と西塘は、上海から毎日、多くの日帰りツアーが出ている超人気水郷古鎮です。安昌古鎮が烏鎮や西塘に劣っていないと言うのは、納得。しかも今もひなびた雰囲気が残っているなんて! それはほとんど奇跡に近いんじゃない?

ひなびた雰囲気の商店街には、観光客向けより地元向けのお店のほうが多い ひなびた雰囲気の商店街には、観光客向けより地元向けのお店のほうが多い

安昌古鎮の歴史と周辺環境

安昌古鎮は北宋時代に建設が始まったので、1000年の歴史があると言われています。戦乱の為、何度も焼失し、明清代に再建されました。雨が多い地方ということもあり、全長1.7キロの木造家屋が並ぶ商店街は、瓦屋根付きです。多くの人々が行き来した商店街の石畳は、すり減って丸みを帯びています。商店街を歩いていると、運河で洗濯をする住人の姿がいつでも見られます。実は安昌古鎮の周辺は、繊維と電子部品の工業団地になっています。一見、ひなびた風情とは無縁の土地にしか見えません。でも、市内バスを降り、安昌古鎮に足を踏み入れた瞬間から別世界です。

商店街では名物の飴づくりも見られる 商店街では名物の飴づくりも見られる

安昌古鎮の奇跡とは?

いろいろな形の石橋がいくつもかかっている運河を「烏ペン(竹かんむりに逢)船」と呼ばれる屋根付きの小舟が行き交っています。船頭さんがかぶっているフエルト帽もいい感じ。私が安昌古鎮を訪れた時は、2回とも美大生らしき学生グループが写生に来ていました。本当にどこを見ても絵になる素敵なところです。もう一度行きたいですが、以前のようなひなびた感じはないでしょうね。安昌古鎮は、市内バス一本で簡単に行けるのが魅力。だから観光客が増えると風情がなくなってしまう可能性大なのです。でも、今日頭条の記事を読み、今もひなびた感じがそのままだと言うことがわかりました。しかもいまだに入場料もなし(中国銀行址などの名所旧跡は入場料が必要)! 今年は、がんばって安昌古鎮に行ってみようかな!

観光客に人気の運河めぐり。近代化したのは、船の屋根がプラスチックになったことだけ 観光客に人気の運河めぐり。近代化したのは、船の屋根がプラスチックになったことだけ