クライマックスシーン

雪が降る大晦日の奉天駅で、父親の弟子であった男、馬三と娘である宮若梅が戦う、カンフーアクションシーンに思わず見入ってしまいました。動き始めた蒸気機関車をバッグに死闘を繰り広げる二人のシーンは、この映画のクライマックスです。この映画とは、2013年に日本で公開された中国語圏では、2012年に公開され、大ヒットを飛ばしました。主演のイップ・マンを演じるのは、香港を代表する俳優、トニー・レオン、イップ・マンに思いを寄せる宮若梅を演じるのは、中国の人気女優、チャン・ツイイーです。映画の舞台となったのは1930年代の中国。その頃の中国東北地方と言えば、日本が統治していました。

瀋陽駅の設計者、大田毅は東京駅の設計者、辰野金吾の弟子。東京駅に似ているのも納得 瀋陽駅の設計者、大田毅は東京駅の設計者、辰野金吾の弟子。東京駅に似ているのも納得

映画の舞台となった旧奉天駅に行ってみると・・・

日本のお年寄りにとっては、懐かしい響きを持つ、奉天と言えば、現在の遼寧省の省都、瀋陽です。映画の舞台となった奉天駅は、瀋陽の玄関口と言える瀋陽駅です。映画での奉天駅は、しんしんと雪がふる大晦日の夜のシーンでしか登場しません。お天気のいい昼間に見に行くと、「かわいい! 全然、映画のイメージじゃない!」とびっくりしてしまいそうです。というのも瀋陽駅は、緑のドームに赤い煉瓦造りというヨーロッパの駅のような外観です。もともとは1899年にロシアが敷いたシベリア鉄道を瀋陽まで延長させたものです。1910年に日本の南満州鉄道社が現在の位置に駅を移し、駅舎を建設しました。

遼寧省の瀋陽駅は、どこの駅に似ている?

南満州鉄道会社、通称「満鉄」によって建設された瀋陽駅は、当時の東京駅を模して建てられたと言われています。それで赤レンガ造りなのです。今、見ると、こじんまりとレトロな駅舎は、おとぎの国ような雰囲気すら漂っています。とてもラブリーなんです。そのため、どうしても「グランドマスター」のあの暗くて重い雰囲気の駅とは、結びつきません。でも、いいんです。大好きな映画の舞台となった場所に立てたら、とにかく満足です。

瀋陽だからできる旅の楽しみ方

この瀋陽駅周辺は、日本が作った当時の新市街です。満鉄職員が多く住んだところを中心に、当時の主だった建て物が並んでいます。瀋陽駅前に建っている煉瓦造りの「鉄道1912飯店(ホテル)」は、かつての奉天南満州鉄道会社です。駅前から中山路に入り、中山広場まで足を延ばすと、遼寧賓館があります。ここは日本統治時代の最高級ホテルだった旧奉天大和ホテルです。瀋陽は、日本が残した歴史建築巡りも楽しめる町です。