どうしても食べられない二つの料理

なんでも食べられると豪語している私ですが、それは、あくまでごく普通の食べ物です。虫食は絶対、無理。私が言う「何でも食べられる」には「ただし、虫以外」がつきます。東南アジアのタイは、虫食が多く、屋台で巨大なたがめや蛆虫のような白い虫が売られています。タイの屋台で虫を見るたびに、ぞ〜っとします。そう言えば、虫以外に、もう一つ食べられないものがありました。生の肉や血です。これは、見た目の恐怖とか気持ち悪くて食べられない虫食と違って、感染症などの病気が怖いというのが理由です。

ティット・カンは、酒のさかなのせいか、女性が食べている姿を見たことがありません ティット・カンは、酒のさかなのせいか、女性が食べている姿を見たことがありません

雲南省大理に住む白族が、大好きな料理

中国の西南部、雲南省西部の大理には、少数民族の白族が住んでいます。白族は、もともと生の豚肉を食べる習慣があります。毎週月曜日に開かれる沙坪の市に行くと、必ず生肉の屋台が出ていました。生の豚肉や豚の脳を、唐辛子としょうゆのタレにつけて食べます。酒のさかなではないので、地元のおばちゃんや若い女性が、普通に食べています。小さな子供に食べさせているお母さんも見かけます。豚の生肉を食べると、豚が持っている寄生虫が原因の病気になることがあります。地元政府から長年、厳重注意を受けていますが、いまだになくならないどころか、今も人気が衰えません。

ハノイの市場でみかける、ギョッとする料理

豚の生食の習慣はベトナムにもあります。ベトナムの北部、ハノイの市場や安食堂で、ギョッとするような赤いものが入ったお碗を見かけたことはありませんか? これは「ティット・カン」と呼ばれる、生の豚の血に軟骨やゼラチン質を入れて固めたものです。必ず、ライムや香草が添えられているので、臭い食べ物のようです。大理の生肉料理と違い、こちらはピーナッツや豚の内臓を入れて食べる酒のさかなです。ティット・カンは、ホーチミンがあるベトナム南部よりも北部で好まれているそうですが、2015年10月5日の「ベトジョーベトナムニュース」を読むと、ティット・カンの記事がありました。

生食とても危険

その内容は「ハノイ市の中央熱帯病院はティット・カンを食べて、ブタレンサ球菌に感染した患者を数名受け入れている。全員が肺血症、髄膜炎を発症し、昏睡状態におちいっている」でした。殺菌作用のあるお酒と一緒に食べるから大丈夫と思っているベトナム人が多いそうですが、全然、大丈夫じゃないのが実情です。豚の生食は大変危険です。絶対にやめましょう。治療が遅れると、死に至ることもあるようです。ブタレンサ球菌の感染症による病気を大々的に報道しても、ティット・カンを食べる人は減りません。大理の豚の生食もそうですが、生食が好きな人って、怖いよりも食べたいが勝っちゃうんですね。