生ハム作りを見学する予定がソーセージ作り見学に変更

本当は、中国の雲南省で生ハム作りを見学する予定だったのに、全く想定外のソーセージ作りを見ることになってしまいました。でも、結果は文句なし! 珍しい手作りソーセージが感動的においしかったのです。今もその生ハムで有名な村の写真を見ると、ソーセージを思い出すほどです。その村は、雲南省西部の雲龍県にある諾ドン(登へんにおおざと)と呼ばれる古い村です。諾ドンは、塩を産出する塩井がある村でもあり、唐代(618~907)から塩業で栄えました。その諾ドンが一躍有名になったのは、中央電視台の食のドキュメンタリー番組「舌の上の中国」で特産品である生ハムが紹介されたからです。

諾ドンでは、多くの家で生ハムを作っている。量り売りしてくれるので、買ってみよう! 諾ドンでは、多くの家で生ハムを作っている。量り売りしてくれるので、買ってみよう!

生食をしない中国人は、生ハムをどうやって食べる?

生ハムは、中国語で「火腿(フオトゥイ)」と言います。単にハムの意味ですが、実際には豚のももに丁寧に岩塩をまぶし、そのまま涼しいところにつるして作る生ハムです。最近は、ワインと一緒に薄く切った火腿を楽しむ中国人もいますが、もともとは生食の習慣がない国だけに、まだまだ少数派です。分厚く切って、スープをとったり、薄く切って、炒め物に使っています。中国では火腿と言えば、浙江省の金華、雲南省の宣威が有名です。「舌の上の中国」で諾ドンの火腿が紹介されると、一気に人気に火がつきました。私も「舌の上の中国」を見て、村中で火腿を作る冬至の時期にあわせて諾ドンに行ってきました。

諾ドンがある雲龍県の中心部。大理下関鎮の興成路バスターミナルから雲龍行きのバスに乗り、約3時間 諾ドンがある雲龍県の中心部。大理下関鎮の興成路バスターミナルから雲龍行きのバスに乗り、約3時間

茶馬古道の街道沿いにある諾ドン

諾ドンは、雲南省西部の大理から西に約95キロ進んだ雲龍県にあります。諾ドンは、雲南省西部に多く住んでいる少数民族の白族の村です。大理一帯が「南詔国(不明〜902年)」と呼ばれていた頃の書物に諾ドンの名前が記載されていることから「1000年白族村」と呼ばれています。また、諾ドンはミャンマー、インドに至る古代の通商道路、茶馬古道沿いの村でもあります。諾ドンの村には、石ころが敷かれた街道が残っており、今でも荷物をくくりつけた馬が街道を行き交っています。大理からバスで約3時間、村にたどり着いた私は、早速、「火腿あります」の札がかかった家を尋ねました。すると、まさかの展開。豚のもも肉に塩をなすりつける生ハム作りは、1週間前に終わっていました。

茶馬古道の街道 茶馬古道の街道

村人が村の広場で作る特製ソーセージ

諾ドンの村は、明清代(1368~1912)には非常に栄え、科挙の合格者を輩出した村でもあります。今も村には、明清代の四合院家屋が数多く残っています。でも、伝統建築を見るのは、私がやってきた一番の目的じゃないです。がっかりした気持ちで村の広場に出ると、村人が集まって、何やら作業をしていました。白くて、異様に太いロープのようなものが見えました。それは手作りソーセージでした。豚の腸に不思議な白いものを詰めています。なんだかおもしろそう。生ハム作りを見に来たのに、まさかソーセージ作りを見ることになろうとは!(後編に続く)

山奥の村とは思えないほど立派な門構えの家がある広場 山奥の村とは思えないほど立派な門構えの家がある広場