明清代の塩課提挙司とは?

「手作りソーセージを食べに雲南省の白族の村へ」前編からの続きです。諾ドンの村は、雲龍県の中心部から三輪タクシーで登って行ったところにあります。中腹で三輪タクシーを降り、さらに石段を登っていくと、諾ドン村の広場に着きます。雲南省の山奥の村とは思えないような立派な門構えのお屋敷が建っています。門の装飾のみごとさに、諾ドンがただの農村ではなく、塩を生産する特別な村だと言うことが感じられました。明清代には、塩の生産、運搬、販売を管理する「塩課提挙司」と言う官職がありました。広場のお屋敷は、この塩課提挙司の役所だった場所です。この役所の前の広場に村人が集まり、白くて太いソーセージを作っていました。

塩課提挙司の役所。現在は、普通に住民が住んでいる 塩課提挙司の役所。現在は、普通に住民が住んでいる

広場で見た、手作りソーセージの中身とは?

豚の腸を使った手作りソーセージの具は、鶏むね肉などではなく、もっと白いものでした。この白いものの正体は豆腐! 村人に尋ねると、豆腐に五香粉、豚の血を入れたものだそうです。その名も「豆腐腸(トウフチャン)」。太い上に、優に2メートル以上もあるソーセージなので、運ぶのも大変。木の棒にソーセージをくくりつけ、棒の両端を男性が持って、家に運びます。運ぶとこれで終わりではないんです。今度は、ソーセージをくくりつけた棒ごと風通しが良く、直射日光が当たらない場所につるします。このまま待つこと約1か月。1か月が過ぎた頃から豆腐ソーセージは食べられるようになります。

風通しの良い場所がポイント。中には、かまどのそばに干している家もあった 風通しの良い場所がポイント。中には、かまどのそばに干している家もあった

今すぐは食べられない手作りソーセージ。食べごろはいつ?

豆腐ソーセージが食べられるようになるのは、約1か月後と言われても、どうしても滞在中に食べてみたい。諾ドン村の民宿や食堂では、特産の火腿は食べることができます。旅行者に知られていない豆腐ソーセージが食べられるかどうかは謎でしたが、こちらもオッケー! 翌日、広場のそばにある食堂で食べられることになりました。調理するところから見せてもらうと、豆腐ソーセージは、1か月後、どす黒く変色していました。水分が抜けて、いかにも堅そう。堅そうではなく、本当に堅いようです。薄くスライスしたソーセージは、20分以上茹でないと食べられないので、まずは茹でます。さて、そのお味は?

一か月後、黒光りがするほど黒くなった豆腐ソーセージ 一か月後、黒光りがするほど黒くなった豆腐ソーセージ

入っていないものの味がする豆腐ソーセージ!

黒くグロテスクな腸の中身は、1か月の間に白からピンク色に変わっていました。ゆでると、ピンクが濃くなった感じです。20分ゆでた豆腐ソーセージの味は、肉そのもの! 豚の血は入っていますが、肉は全く入っていないのに、肉の味と食感です。このままで充分美味しく、タレは必要なし。豆腐が、1か月たつとこんな風に変わるのかと衝撃です。この豆腐ソーセージは、雲龍県中心部にある農貿市場でも買えます。豆腐ソーセージは、少数民族のイ族が考えた食品のようですが、今は雲龍県一帯に広まっています。初めて食べた豆腐ソーセージは忘れらない味になりました。GWは、雲龍県のベストシーズン。寒くもなく、暑くもなく、雨も少ない。GWは、特産のソーセージを食べに雲龍県諾ドンに行ってみませんか!

豆腐ソーセージは、このまま食べても良し。炒め物に入れても良し! 豆腐ソーセージは、このまま食べても良し。炒め物に入れても良し!