大理周辺なのに、行ったことがある人が少ない町

中国西南部に位置する雲南省の大理や麗江と言えば、日本のテレビでも紹介されることが非常に多いところです。そのせいか北京や上海にすら行ったことがない日本人から「いつか大理と麗江には、行ってみたい」なんて言われることがあります。中でも大理は、90年代から日本人旅行者が多いことで有名です。少数民族の白族の古都でもある大理は、大理古城と言われ、周辺には日帰りで簡単に行けるおもしろい村が集まっています。喜州、沙坪、周城などなど。それも含めると大理はみどころがありすぎるのか、巍山に行ったことがあると言う人は、ほとんどいません。私も2018年7月まで、行ったことがない一人でした。

明代に建てられた拱宸楼は、残念ながら2015年1月の火事で焼失し、現在建っているのは、その後再建されたもの 明代に建てられた拱宸楼は、残念ながら2015年1月の火事で焼失し、現在建っているのは、その後再建されたもの

古都の風格が漂う巍山の拱宸楼

巍山は、大理古城ではなく、現在の大理市の行政や交通の中心である下関から約60キロのところにあります。大理古城は、8世紀からこの地を治めて来た地方政権である南詔国の都です。巍山は、南詔国発祥の地であり、かつて蒙化と呼ばれていました。そのため、行ってみると、巍山がただの田舎町ではないってことがわかります。巍山バスターミナルから15分ほど歩くと、巍山のシンボルと言える拱宸楼が見えてきます。明代の洪武年間に建てられた赤い楼閣とその周辺には、古都の風格がありありと残っています。大理ほど観光客がやってこないので、商業化されておらず、古都の雰囲気がそのまま残っています。

巍山名物のバー肉アル絲。昆明や大理にはバー肉アル絲の食堂があふれている。ぜひ、本場のものと食べ比べてみてほしい 巍山名物のバー肉アル絲。昆明や大理にはバー肉アル絲の食堂があふれている。ぜひ、本場のものと食べ比べてみてほしい

茶馬古道の重鎮だった巍山

拱宸楼から南に向かうと、星拱楼が見えてきます。文筆楼とも呼ばれ、明代の洪武23(1390)年に建てられました。現在見られるのは、清代に三度にわたって、修復されたものです。拱宸楼から星拱楼が並ぶ通りは、のどかで旅行者がのんびりした気分にひたれるところです。現在は、きれいに整備されていますが、かつては石畳だったはず。巍山は、茶馬古道と呼ばれるチベットとインドを結んだ貿易ルート上にある重要な町です。石畳の上を交易品であるお茶と塩を馬の背に載せたキャラバン隊が歩く姿が目に浮かぶよう。巍山は商業化されていないので、キャラバン隊の背景にふさわしい古民居や看板がところどころ残っています。そのせいか容易に空想の世界に入り込めました。

拱宸楼周辺は、まさに巍山の中心と言う雰囲気がするが、星拱楼周辺には、古民居が多く、散策がおもしろい 拱宸楼周辺は、まさに巍山の中心と言う雰囲気がするが、星拱楼周辺には、古民居が多く、散策がおもしろい

巍山に行ったら、バー肉アル絲を食べてみよう!

巍山は、大理古城と比べると小さいですが、実際に歩くと意外と広い。ヘトヘトになりながら、バー肉アル絲(スー)の食堂を探しました。大理や昆明では、「バー(火へんに巴)肉アル(食へンに耳)絲」の看板が上がっている食堂が目につきます。バー肉とは、とろとろになるほど煮込んだ豚肉で、アル絲とは、コシのある米線(米粉)のことです。バー肉をたっぷり乗せたアル絲は、巍山名物。巍山以外では、よく見かけるのに本場ではなかなか見つかりません。やっと見つけた屋台でバー肉アル絲を食べました。珍しいほど古びるにまかせた屋台で食べたバー肉アル絲は、コクがあるのにしつこくないスープが感動もののおいしさでした。旅行者も少なく、ひっそり地味なのが巍山の魅力。大理から足を延ばして、巍山に日帰り旅行してみませんか!

本場のバ―肉アル絲は、大理や昆明で食べるよりもバー肉たっぷり! 本場のバ―肉アル絲は、大理や昆明で食べるよりもバー肉たっぷり!