大理古城の中にある「大理農村電影歴史博物館」

手描きの映画の看板って、ちょっと劇画チックで味があって、いい感じです。しかも全部漢字のタイトルがおもしろい。「翻訳すると、こういうタイトルになるのか」など、漢字のタイトルから邦画のタイトルを想像しながら見ると、全く退屈しません。私が行ったのは、雲南省北部の大理にある「大理農村電影歴史博物館」です。中国の西南部に位置する雲南省は、お隣の四川省と並んで、観光客の多いところです。その中でも大理は、90年代から人気が高い古い町です。大理の見どころは、アー(さんずいに耳)海、喜洲、沙渓など、郊外に集まっています。大理古城内にある大理農村電影歴史博物館は、まさに穴場のようなところです。

大理古城内復興路459。年中無休。9時から午後6時 大理古城内復興路459。年中無休。9時から午後6時

大理農村電影歴史博物館の主な展示内容

大理の電影博物館は、単なる映画博物館じゃありません。なんといっても「農村電影(農村映画)」です。雲南省の大理白族自治州で上映された映画の歴史を紹介しています。大理白族自治州は、大理市の行政機関が置かれている下関と大理古城をのぞけば、あとは全部農村と言ってもいいところです。農村の映画の歴史をテーマにした博物館に行くのは初めて。こんな映画館があること自体にも驚いています。大理農村電影歴史博物館は、2011年4月、大理の旅行業のさらなる発展のために建てられた公営の博物館です。大理白族自治州の農村で公開された映画やポスター、上映機材などを紹介、展示しています。

現在の大理古城。大理古城内には、大理州博物館もあり、農村電影歴史博物館を訪れる人は、少ない。まさに穴場! 現在の大理古城。大理古城内には、大理州博物館もあり、農村電影歴史博物館を訪れる人は、少ない。まさに穴場!

大理で映画の上映を始めたのは誰?

大理の映画の歴史は、清朝末期から民国時代にかけてフランスからやってきた宣教師が、教会で上映した街頭映画(中国では幻灯映画というようです)から始まります。また、大理は山と湖に挟まれた風光明媚な土地なので、国内外の映画の撮影も行われました。大理農村電影歴史博物館は、大理の映画産業の発展の軌跡を紹介する場所にもなっています。映画と言えば、国策を宣伝するものだった時代が、どこの国にもあると思います。また、中国は今でも厳しく内容が審査される国です。そんな中国の端っこにある大理の農村の人々が、どんな外国映画を見て来たか? 私は、そこが一番気になります。

大理州各地の映画館の写真。どの映画館もレトロな外観 大理州各地の映画館の写真。どの映画館もレトロな外観

手描きポスターを見て、上映作品を想像しよう!

劇画チックな手描きポスターみて、上映作品をあてましょう。「苔絲(タイスー)」は、ポスターを見た瞬間にわかりました。赤いドレスの女性は、主演女優に全く似てませんが、この映画はナスターシャー・キンスキーの「テス」です。貧しい農民の女性の悲劇を描いた作品で日本では1980年に公開されました。「街之灯」は、チャップリンの「街の灯」。日本の松竹製造とあった「生死恋」は、栗原小巻の「愛と死」。70、80年代前半までの中国と言えば、社会主義まっしぐらの時代です。その時代に「テス」を見ていたなんて、ちょっとびっくりです。また、人々が「テス」や「街の灯」を見て、そこから世界を感じている姿を想像するだけで感動ものです。大理に行ったら、大理農村電影歴史博物館に行きませんか! 小さな博物館ですが、映画好きならめちゃくちゃ楽しめますよ!

「テス」のポスター。大理の農村の人々は、どう受け止めたのだろう。中国にもある話と思ったかもしれません 「テス」のポスター。大理の農村の人々は、どう受け止めたのだろう。中国にもある話と思ったかもしれません