- 浜井幸子
- 京都在住の神戸人。19歳の時、人生初の海外旅行で中国に行き、何が飛び出してくるかわからない中国の魅力にはまる。その後、成都と北京に語学留学し、現在は主に中国の食と旅をテーマに執筆活動中。中国の粉もの文化を中心としたアジアの食が得意分野。著書に「シルクロードおもしろ商人スクラップ」、「中国まんぷくスクラップ」などがある。
出発エリアをに変更しました。
歩行者天国になっている和平路は、かつての天津の中心。欧風建築が並ぶ通りは、人気の観光スポット
天津と言えば、街がまるごと建築博物館のようなところ。そのはずなのですが、今、私の目の前に広がっている天津は、建築博物館と言うより、全く新しい天津です。天津って、こんなところだったかしら? 天津が建築博物館と言われる理由は、町のいたるところで見られる欧風建築です。天津の歴史は古く、隋の煬帝が南北を結ぶ大運河を築いたことに始まります。19世紀になると、天津は清朝の衰退とともに、列強の圧力で港が開かれ、最大9か国もの租界が置かれていました。今もイギリスやフランスなどの欧風建築が市内中心部に数多く残っています。この欧風建築巡りが天津の一番の楽しみ方だったのですが、最近、それが変わってきています。
地下鉄1号線「小白楼」に近い「凱徳国貿」。手前の「起士林」は、清朝最後の皇帝、溥儀が通った欧風レストラン
もちろん、今でも馬車に乗っての五大道周辺の欧風建築巡りは、天津観光の目玉のひとつです。五大道と言うのは、成都道、重慶道、常徳道、大理道、睦南道、馬場道が延びる地区で、かつてのイギリス租界があったところです。漢字の看板が入り混じった欧風建築巡りは、ノスタルジックでおすすめなのですが、今、天津の街を歩いていると、その歴史建築の向こうに見える超高層ビル群にどうしても目が行ってしまいます。ガラス張りの超高層ビルを見ていると、「いったいここは、香港? それともシンガポール?」と、思ってしまうほどあちこちに建っているのです。
天津駅前の津湾広場は、人気の夜景スポット。一際高いビルが津湾広場二期9号楼
北京から天津に日帰り旅行に行った場合、高速鉄道の発着駅である天津駅を利用する人がほとんどです。天津駅を出て津湾広場方面に出ると、もういきなり現れます。ヨーロッパの王族の宮殿を思わせる欧風建築の向こうに見える高層ビル群です。中でも津湾広場二期9号楼と呼ばれる高層ビルは、66階建てで高さは、299.8メートルもあり、天津高層ビルランキングでは14位に入っています。こんなに高くても14位とは、意外です。ちなみに第1位は、開発区ではありますが、117階、高さ597メートルの高銀117大厦です。
付近に地下鉄の駅などはないので、タクシーで行くのが便利。夏の週末は、夕方になるとお客が並び始め、平均50分待ちぐらい
和平路、五大道、天津駅前の欧風建築と高層ビルを楽しんだら、最後は、「天津之眼」で決めましょう! 天津之眼は、直径110メートルの特大観覧車です。「永楽橋魔天輪」という正式名があるのですが、天津之眼の名で親しまれています。世界的にも珍しい橋の上に作られた観覧車で、2009年に登場して以降、すっかり天津の顔になりました。地上35階に相当すると言われる観覧車のてっぺんから天津の100万ドルの夜景を見るのが、今時の天津観光の定番コースです。欧風建築巡りプラス新しくなった天津街歩きをしてみませんか!
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