中国4大石窟の一つに数えられる麦積山石窟

「中国4大石窟の中では、どこが一番好きですか?」って、聞かれたら、「雲崗石窟です」と答えていました。中国4大石窟とは、甘粛省敦煌の莫高窟、山西省大同の雲崗石窟、河南省洛陽の龍門石窟、そして甘粛省天水の麦積山石窟です。2017年10月、25年ぶりに天水に麦積山石窟を見に行ってきました。やっぱりいいね! 中国にとどまらないオリエンタルな雰囲気が好きで雲崗石窟が一番と思っていたのですが、その気持ちがゆらぐぐらい麦積山石窟が良かったのです。甘粛省は中国の西から2番目の場所にある細長い省です。天水は、甘粛省の中でも東部に位置しています。麦積山石窟は、天水から南に約45キロ離れた秦嶺山脈の西端にあります。

麦積山石窟は、磨崖仏だけでなく、張り巡らされた桟道も見どころの一つ 麦積山石窟は、磨崖仏だけでなく、張り巡らされた桟道も見どころの一つ

初めて麦積山石窟に行った時の印象とは?

麦積山石窟の不思議な名前は、仏像が彫られている山が麦わらを積み上げた形に似ているからだそうです。1992年に初めて麦積山石窟を見に行った時は、タクシーで行きました。タクシーのドライバーとすごくもめたことと今回と同じ10月に行ったのに、ものすごく寒い日だったことしか覚えていません。肝心の麦積山石窟のすばらしさがほとんど記憶にないのです。麦積山石窟は、北魏、西魏、北周、隋、唐、宋、明代に渡って、造営されました。優に1500年以上の歴史がある石窟です。194もの石窟と7200体にも及ぶ仏像があると言われています。私の場合、仏像よりも桟道と一帯になった麦積山石窟の全景のほうが、記憶に残りました。

東の磨崖仏の上部の回廊の西側にある仏像。色の組み合わせがユニーク! 東の磨崖仏の上部の回廊の西側にある仏像。色の組み合わせがユニーク!

麦積山石窟の魅力の一つは、桟道にあり!

麦積山石窟の全景をみると、まず目に飛び込んでいるのは、東西に分かれた巨大な磨崖仏のうち、西側の二体の磨崖仏です。右側の仏像は、垂れ目でぼんやりした子供のような表情がおもしろい。東の三体の磨崖仏は、ふくよかな輪郭と切れ長の目が、大同の雲崗石窟のシンボルになっている第20窟の仏像にも似ています。麦積山石窟の磨崖仏や石窟の周辺には、桟道が張り巡らされています。他の中国4大石窟はごく普通に地上から見学しますが、桟道が麦積山石窟の大きな魅力のひとつ。桟道を登ったり、降りたりしながら、顔をくっつけるようにして仏像を見学する楽しさがあるのは、麦積山石窟だけです。

1500年以上たっても完全な形で残っている東の磨崖仏。当時の技術の高さに驚く 1500年以上たっても完全な形で残っている東の磨崖仏。当時の技術の高さに驚く

東西磨崖仏以外にも見どころがいっぱいの麦積山石窟

東の磨崖仏の上部には、左右を仁王像に守られた回廊があります。右手を振り上げ、「こらーっ!」と叫びながら、追いかけてきそうなほど生き生きとした仁王像です。回廊の西側には、鮮やかに彩られた仏像が並んでいます。緑とえんじ色の極彩色の仏像がものすごく奇抜な感じ。麦積山石窟は、桟道にそって東から西に見学して行きます。西の磨崖仏を見学すると、主な石窟はほぼ終わりです。最後に登場する像が、いったいどこの国のものなんだろうと言うような不思議な雰囲気。シルクロードの交流の歴史を感じました。25年ぶりの麦積山石窟は、1回目では見えていなかった魅力でいっぱいでした。交通手段もよくなり、天水駅前から34路バスに乗れば、約40分で到着です。桟道を歩きながらの見学が楽しい麦積山石窟に行ってみませんか!

麦積山石窟の最後に登場する仏像。中国の仏像の中では、かなり珍しいスタイル 麦積山石窟の最後に登場する仏像。中国の仏像の中では、かなり珍しいスタイル