白い綿のような毛で包まれた豆腐はどこにある?

そのヘンテコな豆腐をはじめて見たのは「舌の上の中国」という中国の食のドキュメンタリー番組でした。まるで綿菓子のような白い綿というか毛で豆腐が覆われています。名前は見た目そのままの「毛豆腐」です。安徽省の黄山一帯で食べられている名物です。珍味であることは間違いないのですが、豆腐の味はするのか?どうしても知りたくなりました。安徽省は上海の西側にあり、黄山は有名ですが、他にはイメージできません。とりあえず黄山に毛豆腐を探しに行くことにしました。

珍味!豆腐なのに豆腐じゃない味がする毛豆腐 珍味!豆腐なのに豆腐じゃない味がする毛豆腐

毛豆腐が全国区で知られるようになったきっかけ

この「舌の上の中国」というドキュメンタリー番組は2012年に中央電視台で放送されました。松茸、麺、レンコン、ハムなど様々なな食材をとりあげたこの番組は大ヒットしました。そのため2012、2013年はレストランやホテルに行くと、「舌の上の〜」と名付けた特別料理の看板を見かけました。「舌の上の〜」とついた本も大量に出版されました。さて、黄山観光の起点になる町は屯渓です。古い街並が残る老街に宿をとり散歩に行くと、すぐ見つかりました。毛豆腐専門店が並ぶ通りがあったのです。店の前の大画面テレビでは「舌の上の中国」で毛豆腐を取りあげたシーンを延々と映していました。

初めての毛豆腐、そのお味はまさにあの味!

老街には安徽料理を出す食堂が集まっています。ここにもちゃんと毛豆腐はあります。メニューの中から毛豆腐を注文してみました。火を入れると、毛豆腐の毛はなくなるので、一見、厚揚げやがんもどきにも見えます。お味はねっとり重い食感のチーズにそっくりです。味付けはしょうゆ。おいしいのですが、豆腐にしてはしつこいので、私ひとりで一皿食べるのは。かなりきついです。あの毛の正体は豆腐にできたカビでした。温かいところに豆腐をおいておくと、発酵して毛が生えます。珍味には発酵食品が多いですが、毛豆腐も発酵食品でした。

黄山以外にも毛豆腐を食べられる町がある?

ドキュメンタリー番組によって一躍有名になった黄山の毛豆腐ですが、毛豆腐は中国各地にあります。四川省の西昌、自貢、雲南省の文山、羅平などです。発酵食品だけあって、菌が活動しやすい温度になる温かい地方にあるようです。また、町によって好みの発酵度合があります。ベトナムと国境を接する雲南省文山苗族自治州の文山では、発酵が進んで、表面がドロドロしてきた毛豆腐が多く売られてました。名前は豆腐なのに、チーズの味がする毛豆腐、中国で見かけたら、ぜひ食べてみてくださいね!