上海から寝台列車で世界遺産へ

昔から「黄山を見ずして、山を見たというなかれ」と言われる名勝の一つでもある中国の黄山は、世界遺産に登録されています。1億年かけて形成された山峰の美しさや、霧のかかった断崖絶壁の姿は、よく水墨画などで見かけます。仙人が住んでいそうな異次元の世界を見に、山へ登ろうと上海から寝台列車に乗って向かいました。朝起きると窓から見えるのは大都会から一掃した中国の田舎の風景でした。下車した駅からバスで入山口まで向かいます。天候は曇り、季節は12月の冬のことでした。私たちを待っていたのは疲労と天気によって姿を変える絶景でした。

天気でその表情を変える、中国の黄山で絶景を楽しむ 天気でその表情を変える、中国の黄山で絶景を楽しむ

仙人の住む岩山へ登る

玉屏楼までロープウェイ、そこから歩いて北海へ向かうコースを選びました。曇りだった天気は、入山すると雨がぽつぽつ降り始め、石段を登っては降りるその繰り返しに体力が奪われ、悪天候を恨みました。さらに道を進み、天候が霧雨になると視界は悪く、期待していたはずの絶景は現れません。一方で、目にする灰色がかったその景色は、まさに仙人が住んでいそうな山水画の世界であり、いるなら助けて欲しいと本気で思ったほどです。気温がさらに下がり、ホテルに着く頃には、合羽や髪の毛についた雨の雫が氷柱となっていました!二度と登山はしない!と思ったぐったりの初日でした。

白銀の世界が広がる黄山

ところが翌朝、一夜にして積もった雪が美しい白銀の世界に変えていました。そして天気は快晴で、前日の疲労が嘘のように、石段を登るステップが軽くなります。岩の色までが鮮やかに見えるようで、楽しくて写真撮影も止まりません。帰りは雲谷ロープウェイまで3時間ほど歩き、下山しました。曇り、雨、雪、晴れすべてをこの1泊2日で体験し、天気によってこれほどまでに表情を変える名勝にあっぱれでした。峰に被さる雪の白い帽子や、山頂から雲海を眺めて、この山の本当の美しさに触れられた気がして、最後は悪天候(?)にも感謝できました。

近くの町、杭州へ寄る

黄山からバスで杭州へ、この町には西湖(シーフー)と呼ばれる美しい湖があります。伝説「白蛇伝」の舞台になった湖で、2011年に世界遺産に登録されました。湖にかかる遊歩道を歩いて景色を眺めたり、遊覧船に乗って解説を聞きながら見て回ることもできます。周辺には、西湖十景と呼ばれるスポットがあり、それらを訪れるのも楽しいかもしれません。杭州の歴史は秦の始皇帝の時代までさかのぼります。町のシンボルとなる六和塔や、300体もの岩に彫られた石像が見られる霊隠寺など見所も多く、上海もしくは黄山に旅行の際には、お勧めのスポットですよ。