黄山が有名すぎて、損している屯渓

白いしっくいの壁と端っこが反りあがった瓦屋根の古民家が並ぶ屯渓の旧市街は、夜の散歩が楽しいところです。旧市街は石畳の商店街になっています。暗くなって、商店に灯りがともると、なんだか幻想的な雰囲気すら漂ってきます。屯渓がある安徽省は、沿岸部の浙江省の西隣りです。屯渓は黄山観光の起点になる町です。切り立った険しい岩山のような黄山は世界文化遺産でもあり、中国はもちろんのこと世界中から観光客が訪れます。そのため、屯渓にやってくる旅行者は夜、着いたかと思うと、翌朝にはチェックアウトして、黄山に行ってしまいます。ああ、もったいない。

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屯渓「老街」のはじまりはいつ?

屯渓の旧市街「老街」の歴史は、今から1000年ほど前に始まります。宋の皇帝、徽宗が金軍によって北に連行され、新しくできた南宋が都を臨安に移したこととは切ってもきれない関係があります。安徽や江西省出身の行商人を「徽商」と言います。各地を飛び回っていた徽商はもちろん臨安にも行っていました。彼らが故郷に帰ると、南宋の都として栄えた臨安の建築様式をまねた家を建てました。それが今の屯渓の老街のはじまりです。そのため別名「宋城」とも呼ばれています。老街は全長約1.2キロ、道幅も5〜8メートルもあります。中心部のにぎやかなところだけでも800メートル以上あり、歩き応えがあります。

ワクワク!老街ぶらぶら歩き

老街には現在、様々な年代に建てられた徽派と名付けられた建築様式の古民家が300棟も残っていると言われています。このうち商店が280軒以上も占めています。だから老街の散歩が楽しいのです。商店の多くは黄山毛峰や祁門紅茶などの黄山特産のお茶を扱っています。また、安徽省はお漬物をよく食べる地域らしく、唐辛子たっぷりの辛いお漬物屋さんもあります。赤や緑の唐辛子が見える小瓶入りでお土産にも使えます。観光客が多いところでもあり、お土産に使えそうなお菓子屋さんもいっぱいです。もちろん味見もオッケーですよ。

黄山名物「毛豆腐」って、どんな味?

最近では「毛豆腐(マオドウフ)」と呼ばれる黄山特産の豆腐を扱う食堂や屋台が増えました。数年前に爆発的にヒットした食のドキュメンタリー番組「舌の上の中国」で黄山名物の毛豆腐をとりあげられたからです。発酵してカビが生えた毛豆腐は、ねっとりしたチーズのような味わいです。老街は雰囲気、買い物、グルメのすべてを楽しめるところです。ただ、屯渓は黄山だけでなく、宏村、西逓などの徽派建築の世界文化遺産への起点にもなっています。周辺に世界遺産が集中しているので、旅行者になかなか時間をとってもらえません。時間はとれなくても屯渓に泊まる日の夕暮れから夜は、老街ぶらぶら歩きを思いっきり楽しみましょう!