日本人にも人気の台鉄のお弁当とは?

「たった60元でうっ、うまい!」。本当に台鉄のお弁当は、毎回、楽しみです。これが楽しみで台鉄に乗ると言っても、嘘じゃないです。台鉄とは、台湾鉄道のことです。台湾人にも日本人にも人気があるのが、この台湾鉄道局が出しているお弁当です。メインの肉が豚か鶏肉か程度で、種類は、決して多くはないものの本当においしい。「排骨便當(パイグービェンダン)」と呼ばれる豚のスペアリブのから揚げ入りのものが激うまです。この排骨便當は、台湾にやってきた中国人旅行者の間でも大絶賛です。その気持ち、私もわかります。

台鉄の60元(約198円)の排骨便當。日本人ファンが多いのも納得のお味 台鉄の60元(約198円)の排骨便當。日本人ファンが多いのも納得のお味

変わりゆく景色がおもしろい中国鉄道旅行で足りないもの

北京から中国の西の端、新疆ウイグル自治区の省都、ウルムチまで鉄道で行くとすると、3774キロです。とにかく中国は、広大なので列車内で1泊するような鉄道旅行もめずらしくはありません。沿岸部から内陸部に向かうにつれて、雨が少ない景色に変わっていくのがおもしろい。こんな景色を見ながら、駅弁を食べられたらいいのになあ。でも、ないんです、中国の鉄道にはお弁当類が。食事の時間が来ると、おかずとごはんを適当にプラスチックの容器にぶちこんだ「盒飯(フーファン)」の車内販売があります。これは、ぶっかけ飯であって、お弁当ではないです。

ワイルドさが魅力の中国の盒飯。温かいうちはおいしい ワイルドさが魅力の中国の盒飯。温かいうちはおいしい

中国の駅のホームでは、何が売られているの?

中国の駅のホームでもお弁当は売られていません。「包子(パオズ)」と言う肉まん類、「涼粉(リャンフェン)」というところてんのようなものを売っている駅もありますが、お弁当類は見つかりません。北京五輪前、中国南部の広州から内陸部の古都、西安に行く列車が通る路線の駅で「砂鍋飯(シャーグオファン)」と言う釜飯が売られていました。砂鍋飯は、中国南部ではよく食べる料理で、駅のホームでも売りやすいので売られていただけで、やはりお弁当とは違います。お弁当が身近にない分、中国人旅行者には、日本や台湾の駅弁が余計においしく感じられるのかもしれません。

中国の駅のホームで売られているのは、粉もの、ゆで卵が一番多い 中国の駅のホームで売られているのは、粉もの、ゆで卵が一番多い

中国に駅弁がないのは、食習慣が理由

と言うのも中国は、もともと冷たくなった食べ物を食べるという習慣がないところです。車内販売の盒飯も街角で売られている盒飯もテイクアウト用の容器に入っているだけ。炒めものばかりなので、温かいうちはおいしいのですが、冷たくなってもおいしいようには作られていません。これは、やはりお弁当ではないです。台湾の場合、日本の植民地時代に「便當」と呼ばれるお弁当が定着しました。中国でも最近は、高速鉄道の車内でお弁当が販売されているようですが、「まずくて高い」と評判はいまひとつ。中国鉄道旅行でおいしい駅弁を食べるのは、まだ、もうちょっと先のことのようです。