陝西省の古都、西安のヒツジを使った名物料理

中国の古都、陝西省の西安は、兵馬俑や華清池など、歴史遺産の町として有名です。それだけではなく、中国では「何を食べてもおいしい町」としても知られています。そんな西安の名物と言えば、「灌湯包子(ガンタンパオズ)」や「羊肉丸子糊辣湯(ヤンロウワンズフーラータン」などなど。中でも一番有名のなのは「羊肉泡馍(ヤンロウパオモウ)」です。「羊は匂いだけで、だめなんです」という人にはおすすめしません。ヒツジと粉ものも大好きという人には絶対の自信をもって、おすすめしたい一品です。

ヒツジ好きにおすすめしたい!西安名物「ヤンロウパオモウ」! ヒツジ好きにおすすめしたい!西安名物「ヤンロウパオモウ」!

「ヤンロウパオモウ」の始まりは労働者の朝ごはん?

「羊肉泡馍(ヤンロウパオモウ)」は宗教上の理由から豚を食べないイスラム教徒の料理です。イスラム教を信仰する回族は小麦粉を使った料理、麺や餅と呼ばれるパンを作りの名人です。「馍(モウ)」とは、陝西省や甘粛省一帯で食べられている素焼きのパンのことです。古くなり、硬くなった馍を小さくちぎって、羊肉のスープで煮込んだ料理が羊肉泡馍です。経済的に恵まれない回族が残った食材をおいしく食べるために生み出した料理です。こってりした羊のスープで膨れ上がった馍を食べると、とにかくおなかいっぱいになります。夜までおなかがすきません。羊肉泡馍は貧しい回族の労働者の朝ごはんが始まりだと言われています。

本格的「ヤンロウパオモウ」の正しい食べ方

西安には羊肉泡馍の専門店がいくつもあります。一番有名なのは市内中心部、鐘楼に近い「老孫家」です。老孫家に行くと馍が2枚出てきます。これを自分でちぎっても、機械で切ったものに換えてもらうこともできます。機械で切ったものは一切れが大きいので、西安っ子がこれを選ぶことはありません。馍は手で小さくちぎったほうが羊肉泡馍の味が断然いいそうです。西安っ子は時間をかけて、小さくちぎります。そのかけら、実に5ミリ以下です。小さくちぎったひとかけらをさらに指ですりつぶすかのようにして細かくします。ここまで小さくなったら、お店の人に渡します。

ヤンロウパオモウには西安っ子のこだわりがいっぱい!

この時、スープの量を選びます。馍がスープを吸いこんで、スープがほとんどないものは「干泡(ガンパオ)」です。食べ終わった後にスープが一口残るぐらいを「口湯(コウタン)」、スープたっぷりを「水囲城(シュイウェイチョン)」と言います。西安っ子は羊肉泡馍にとにかくこだわります。私が老孫家で羊肉泡馍を食べている時、同じテーブルにいたお父さんが娘さんに言いました。「あの人たちは私たちより後から来たのに、もう食べ終わって帰るよ。地元の人じゃないね」。機械でちぎった馍を選べば、すぐ食べられますが、羊肉泡馍の本当のおいしさがわかりません。羊肉泡馍を食べるなら、西安っ子のまねをして、どことん馍を小さくちぎってみましょう。一段と羊肉泡馍がおいしくなりますよ!