B級グルメの町、西安で汁麺探し

中国南部の広東省広州が「食は広州にあり」で知られる美食の町なら、陝西省西安はB級グルメの町として知られています。西安と言えば、世界遺産の兵馬俑が有名ですが、シルクロードの起点の都市でもあります。この西安で日本人旅行者が「中国で本場の麺でも食べてみるか!」と思っても、なかなか日本人がイメージする麺が見つかりません。最近の日本は担々麺など、混ぜ麺ブームですが、まだまだ、麺といえば汁麺です。西安で汁麺を探そうとすると、意外と難しい。中国の西北部は混ぜ麺と言おうかぶっかけ麺と言おうか、汁なし麺が主流なのです。

実は汁麺がほとんどない! 西安の麺料理は混ぜ麺ばっかりだった! 実は汁麺がほとんどない! 西安の麺料理は混ぜ麺ばっかりだった!

イスラム教徒の回族は麺づくりの名人!

シルクロードの起点、西安から西に行くにつれてイスラム教徒が多く住む地方になっていきます。西安中心部の鐘楼の西側は、イスラム教徒の回族が多く住む地域です。回族は麺作りの名人として知られ、「漢民族が作った麺よりも回族の麺のほうがおいしい」と言われるぐらい美味しい麺を作ります。西安中心部の鐘楼に近い回族街に行くと、名物料理を出す食堂が並んでいます。はっきりと汁麺だとわかるのは蘭州名物の牛肉麺ぐらいで、それ以外はほとんどが汁なし麺です。

こんなにある! 西安名物の麺いろいろ

「菠菜牛肉麺」は、ほうれん草を麺生地に練り込んだ幅広のパスタのような麺です。炒めたじゃいがも、セロリ、トマトなどの野菜と牛肉の具をかけて食べる混ぜ麺です。「麻醤油涼皮」は、ごまだれうどん風のやはり混ぜ麺です。「ビャンビャン麺」と呼ばれる今では使われない画数が多い漢字を使った名物麺も、トマト味の具をかけた混ぜ麺です。回族の麺料理ではありませんが、西安名物の「肉夾馍(ロージャーモウ)」というハンバーガーがあります。素焼きのパンに、とろとろに煮込んだ豚肉を挟んだものです。この豚肉を幅広麺にかけた「腊汁肉揪面片(ラージーロウジュウミェンピェン)」も汁なしです。

地元の辣油をかけただけの麺がうまいっ!

麺を出す食堂なら、どこにでもあるのは「油溌麺(ヨウポーミェン)」です。西安人の家なら「油溌辣子(ヨウポーラーズ)」と呼ばれる辣油が常備されています。これがないと麺料理の味が決まらないぐらい重要な調味料です。この辣油をぶっかけただけの麺が油溌麺です。ゆでた麺にゆでた野菜をのせ、そこに油溌辣油をかけただけのシンプルな麺ですが、感動のおいしさです。西安で麺を食べるなら、とりあえずお店に入り、汁麺か混ぜ麺かわからないけど、注文してみる。何はともあれ出てきたのを楽しむぐらいの気持ちがいいかもしれません。中国の西北部は混ぜ麺ワールドなんですから、汁はなくとも味は保証付きです!