西安名物の中国版豚肉バーガー

とろっとろっに煮込んだ豚肉と素焼きのパンの組み合わせがたまりません。パンは「白吉馍(バイジーモウ)」と呼ばれる、小麦粉生地を炭火で焼いたものです。フカフカではなく、ほど良くしっかりした生地とトロトロ豚肉との相性バッチリ! この中国版豚肉バーガーは「肉夾馍(ロージャーモウ)」と呼ばれています。中国の真ん中あたり陝西省西安の名物です。本当は、西安に近い咸陽(シエンヤン)が発祥の地ですが、世界中から観光客がやって来る西安で売られているので、西安名物と思われています。肉夾馍は回族街(ムスリムストリート)をはじめ、繁華街ならどこでも、売られている人気スナックです。

片手に持って食べられるのも人気の理由 片手に持って食べられるのも人気の理由

おいしいロウジャーモウの屋台事情

肉夾馍屋台と言えば、トントントンと包丁の音も軽快に、柔らかく煮込んだ豚肉を小さく刻む音がします。丸い木のまな板の真ん中あたりは、使いこんでいるので、ポコッとへこんでいます。ここに肉汁たっぷりのトロトロ豚肉が、収まっています。まな板の空いている部分で、素焼きのパンの真ん中を包丁でス〜ッと開き、そこに包丁の面にのせた豚肉を挟みこみます。肉汁がパンにしみこんで本当に美味しい。西安をはじめ陝西省でしか食べられないと思えば、美味しさも倍増です。ところが最近、この肉夾馍事情が変わってきました。

今や洛陽は西安名物でいっぱい!

北京、河南省洛陽、青海省西寧など、観光客が多い町の繁華街や屋台街に行くと、必ず肉夾馍の屋台を見かけるようになりました。特に世界遺産「龍門石窟」で有名な洛陽では、洛陽名物だと勘違いしてしまうほど肉夾馍の屋台が目につきます。醤油、お酒、氷砂糖、八角、ういきょう、しょうがなどの香辛料をふんだんに使い、2時間以上煮込んだ豚肉は、豚を食べないイスラム教徒以外の中国人なら、誰が食べても好きになる味です。西安以外の町で食べられるようになっても、全く不思議ではありません。

どこでも食べられるっていいこと?

中国人ならみんな好きな味だから、今はもう西安でなくても、大都市ならどこでも肉夾馍は食べられます。繁華街や地下鉄の入り口にある屋台で見かけます。ここまで広がると、西安の名物だということも忘れてしまいそうです。コトコト煮込むだけで作れる肉夾馍は、ますます全国区に広がって行きそうな勢いです。どこでも食べられるって、価値が下がるような気もしますが、食べられるのはうれしい。何はともあれ、まだ、肉夾馍を食べていない人は、ぜひ、お試しあれ!