美食の古都、西安で晩ごはんに何を食べる?

西安で晩ごはんを食べるなら、何がいいかなあ。まずはディナーショーののりで楽しめる餃子宴が思い浮かびます。宝塚歌劇のようなショーと餃子尽くしの両方を楽しめるので、旅行者に人気です。または、名物の素焼きのパンを小さくちぎって、牛骨スープで軽く煮込んだ「羊肉泡馍(ヤンロウパオモウ)」あたり? 何を食べるかは、はっきり決めずに、回族街に行って、目についたものをあれこれつまむという手もあります。西安は、中国の真ん中よりやや東側、紀元前11世紀から 紀元10世紀頃までの約2000年の間、唐や秦をはじめ13もの王朝の都がおかれた古都です。長年培われた美食の歴史があるのか、いまでも名物料理の多い町です。

芝麻里脊は、もとは江蘇省の漢民族料理だけれど、清真レストランでも人気が高い一品 芝麻里脊は、もとは江蘇省の漢民族料理だけれど、清真レストランでも人気が高い一品

回族街には、名物小吃がたくさん

回族街は、市内中心部に建つ鐘楼の西北部に位置するイスラム教徒の回族が住んでいる地区です。羊肉泡馍や麻醤涼皮などの名物料理を出す食堂や屋台が集まっている美食街になっています。西安より西に多く住んでいる回族は、麺など粉もの料理の達人といわれています。西安の美食と言えば、この回族を抜きでは語れません。西安名物の羊肉泡馍も回族が生み出した料理です。回族街で晩ごはんを食べるのは、西安観光のお決まりコースですが、忘れているものがあります。西安は、屋台や食堂で簡単に食べられる「小吃(シャオチー)」が充実しているのです。ゴマダレうどんのような麻醤涼皮、羊肉泡馍も小吃です。なかなか回族料理を食べるレストランが思い浮かびません。

日本人には、馴染みの薄い「清真」レストラン

回族料理は、イスラム教徒用の「清真(チンジェン)」と呼ばれるイスラム料理のレストランで食べられます。清真のレストランって、「いったい、どんな料理があるの?」と馴染みの薄い場所です。行ってみると、意外と普通でした。いや、それどころか目からウロコのおいしさでした。野菜の炒め物は、漢民族と同じ。唐辛子と酢がきいた定番のキャベツ炒め、「糖醋蓮白(タンツーリェンバイ)」も漢民族のレストランとの違いは全くありません。違いが出るのは、やはり肉料理です。

豚肉を食べないことが、おいしい料理の理由

回族は、宗教上の理由から豚肉を食べません。漢民族が行く中華料理のレストランでは、肉料理は、ほとんどが豚肉です。イスラム料理のレストランでは、羊、鶏、牛など様々な肉を使います。「芝麻里脊(ジーマーリージー)」は、豚ヒレ肉に薄焼き卵を巻き、ゴマをたっぷりまぶして焼いた漢民族の料理です。これを回族レストランで食べると、牛肉で作ったものになります。牛肉になると、あっさりした仕上がりになります。新疆が本場の「大盤鶏(ダーパンジー)」も西安風のが食べられます。多彩な肉料理が楽しめるイスラム料理のレストランって、意外と馴染みの薄い日本人にも向いています。西安では、ぜひ一度、お試しを!