日本人ファンも多い中国版ひとり鍋「砂鍋」とは?

昔に比べてずいぶん、値上がりしたなぁと思う料理があります。この料理は、中国西北部の食堂や屋台でよく見かける「砂鍋(シャーグオ)」です。ひとり用の黒い土鍋に肉、白菜、豆腐、きのこ、春雨などがたっぷり入った鍋料理です。冬の寒さの厳しい中国西北部の人気料理ですが、上海あたりでも食べられます。かなり広い地域で食べられるので砂鍋の発祥の地は、謎ですが、グツグツ煮える一人鍋は、日本人旅行者にも大変人気があります。一人旅のお助け料理としてもイチオシの屋台飯でした。この砂鍋がいつのまにか思いっきり値上がりしていました。

西北部の広い地域で食べられるので地方によってかなり味付けや見た目に差がある 西北部の広い地域で食べられるので地方によってかなり味付けや見た目に差がある

肉の数だけ砂鍋がある? メインで決まる砂鍋

砂鍋と言えば、中に入っているメインの具で種類が分かれ、砂鍋の値段も決まります。西北部なら羊肉、牛尾、鶏肉、排骨、丸子、什錦(シージン)などです。排骨は、豚の骨付き肉です。中国の西北部はイスラム教を信仰している少数民族が多く住んでいます。イスラム教徒向けの「清真食堂」では、宗教上の理由から豚を使わないので、排骨砂鍋は扱っていません。「牛尾」とは、牛のしっぽのことで、西北部では醤油煮込み料理によく使います。「丸子」とは、ミートボールのことで、牛肉だんごが一般的です。牛肉だんごは一度、素揚げにしたもの使うのが西北部の特徴です。「什錦」は、カニかまぼこやソーセージと野菜がメインのものです。砂鍋の値段が一番高いのは羊肉で、安いのは什錦です。

丸子砂鍋は、羊肉や鶏肉入りよりやや安く、お得感大! 西安の砂鍋は、胡椒がこれでもかと入っているのも特徴のひとつ 丸子砂鍋は、羊肉や鶏肉入りよりやや安く、お得感大! 西安の砂鍋は、胡椒がこれでもかと入っているのも特徴のひとつ

砂鍋が一人旅のお供だったころの値段

砂鍋の値段は、もともとは麺を食べるより数元、高いぐらいでした。什錦なら、麺とほとんど同じ値段です。メインの具が肉の砂鍋でも麺より2、3元しか高くないので、本当にお得。シルクロード好きの日本人には、砂鍋ファンが多く、私もその一人でした。中国の古都、西安の中心部に位置するイスラム街は、中国全土だけでなく世界中から観光客が押し寄せる美食街です。ここで麺を食べると、現在は10数元(約170円ちょっと)です。しかし砂鍋を食べようとすると30元(約510円)前後します。以前の砂鍋の値段を知っている人たちには、びっくり価格です。

砂鍋屋台は、西北部の屋台の主役! こんな風景を見れば、食べずにはいられない! 砂鍋屋台は、西北部の屋台の主役! こんな風景を見れば、食べずにはいられない!

砂鍋がこんなにも値上がりしてしまった理由のひとつは、、

中国では、毎年、羊肉を食べる人が多くなり、羊肉が大変値上がりしています。以前は、上海などの南方の人は「羊肉は臭い」と言って食べる習慣がなかったのですが、今では食べるようになりました。そのため羊肉は不足しがちになりました。もともと中国は、単に肉と書けば、豚肉を指すお国です。羊も牛も肉の主流ではなく、特に牛肉は安い肉でしたが、最近は一時的に牛肉が羊肉より高くなるほど値上がりしました。何かにつけ値上りのスピードが速い中国ですが、肉の値上がりが砂鍋の値上がりに関係していることは間違いないです。庶民の味方、一人旅のお供の砂鍋が、どんどん普通の中国料理へと変わっていくのは寂しい限り。砂鍋よ、もう一度、おいしくてお得だった時代にカムバックプリーズ!

骨付き羊肉入りの砂鍋は、もはや、ちょっとしたぜいたく料理 骨付き羊肉入りの砂鍋は、もはや、ちょっとしたぜいたく料理