旅先でピンとくるお店が見つからなくて彷徨う時

旅に出ると、朝は、その土地の名物の朝ごはん、昼もやはりそこでしか食べられない麺を食べたい。朝は、だいたい泊まっているお宿の近くで食べますが、問題は、昼の麺です。麺を出す専門食堂のことを麺館と言いますが、毎回、ガイドブックに紹介されているような有名店やネットで話題になっているお店に行くわけじゃありません。地元の人で流行っているお店や自分のツボにひっかかる店を散歩しながら探しています。時には、ピンとくるお店に出会えない時もあります。歩けど、歩けど見つからない。店探しにあまり時間をさけないので、焦ってきて、どうしょうもない。こんなことが不思議なほどないのが中国の古都西安です。

2017年の秋に西安で見つけた、おいしい麺と餃子のお店。廟后街206号。回民街から徒歩15分 2017年の秋に西安で見つけた、おいしい麺と餃子のお店。廟后街206号。回民街から徒歩15分

中国の麺のふるさと、陝西省と山西省!

中国の真ん中よりやや東に位置する陝西省と陝西省北部の東側にくっついている山西省は、麺がおいしいところで知られています。どちらの省も主食は、小麦粉で作った麺や「餅(ビン)」と呼ばれるパンです。陝西省を代表する麺ならサオ(月へんに、さんずいへんをとった澡)子麺、油溌麺、クー(衣へんに庫)帯麺など。山西省を代表するのは、日本でもすっかりおなじみの刀削麺に加え、猫耳頭、一根麺など。種類の多さでは、どちらも譲らずと言ったところです。しかし観光地となると、陝西省西安は、観光客の数、名所旧跡の多さで山西省の都市を圧倒しています。そのせいか西安は、麺館やレストランが非常に多く、旅行者にもおいしいお店を探しやすい町です。

西安名物のクー帯麺。クー帯とは、ベルトのこと。ベルトのように幅が広い麺。中国では、珍しいつけ麺 西安名物のクー帯麺。クー帯とは、ベルトのこと。ベルトのように幅が広い麺。中国では、珍しいつけ麺

西安には、麺館がない通りはないの?

西安中心部の位置する鐘楼の西北部には、「回民街(ホイミンジエ)」と呼ばれる美食街があります。「回民」とは、イスラム教を信仰している回族のことです。中国では回族と言えば、凄腕の麺職人として知られています。そんな回族が住んでいる通りなので、ここに行けば、間違いなくおいしい麺が食べられます。ちょっと大げさですが、「西安なら大通りだろうが、狭い路地だろうが、麺館がない通りはない」と言う人がいます。回族街周辺に限って言えば、これは本当。それぐらい陝西人って麺食いなんです。

年々、観光客が増加している回民街。そのせいか24時間営業の店が増えている。西安名物ならほぼ、何でもそろっている 年々、観光客が増加している回民街。そのせいか24時間営業の店が増えている。西安名物ならほぼ、何でもそろっている

陝西人が、一生離れられないといわれている二つのもの

「陝西人は、一生酢と辣油から離れることはできない」と言う言葉があります。陝西人は、麺を食べる時に必ず、黒酢と「油溌辣子(ヨウポーラーズ)」と呼ばれるラー油を入れます。それもたっぷりと。この二つがないと、どんなおいしい麺の味も決まりません。私の西安人の友人も「広州の麺もおいしいけど、(食堂の)テーブルに黒酢がないから困った」と言うぐらいです。陝西人って、本当の麺好きだから、毎日、黒酢と油溌辣油をかけて麺を食べ続けています。だから西安の町にも数えきれないほど麺館があります。麺好きの町の麺館だからレベルは高いに決まってます。陝西人に負けない麺好きなら西安に行ってみませんか! ふらっと入った麺館で感動的においしい麺に出会えますよ。

「麻食」と呼ばれる西安名物の麺。小さくちぎった生地を指で押して作る 「麻食」と呼ばれる西安名物の麺。小さくちぎった生地を指で押して作る