西安名物の「肉夾モー」と「籠籠肉夾モー」

中国の古都、西安って美味しいものがありすぎます。3泊滞在したどころじゃ食べきれません。絞ればいいだけなのですが、どれも美味しすぎて絞れません。「籠籠肉夾(ロンロンロウジャー)モー(食へんに莫)」もその一つ。ただ、籠籠肉夾モーって、西安名物なのに意外と見つからないかもしれません。「籠籠」じゃないほうの「肉夾モー(食へンに莫)」があまりにも有名すぎて、陰に隠れてしまっています。西安名物と言えば、回族と呼ばれるイスラム教徒が作るものが多いので、宗教上の理由から豚肉を使いません。豚肉を使う肉夾モーは、西安の漢民族の名物料理です。

籠籠肉夾モーは、昼よりも夜に売っているところが多い食べ物 籠籠肉夾モーは、昼よりも夜に売っているところが多い食べ物

西安の人気名物料理「肉夾モー」とは?

「肉夾モー」は、モーと呼ばれる素焼きのパンに、とろっとろっに煮込んだ豚ばら肉を刻んだものを挟んだ西安版ハンバーガーです。お酒、しょうゆ、しょうが、桂皮、八角、花椒などで煮込んだ豚ばら肉と表面がパリッとした素焼きのパンって、最高の組み合わせ。豚ばら肉の脂っこい煮汁の脂っこい部分だけをあっさりしたパンが吸い取っているので、しつこく感じません。それでいて肉汁たっぷりなので、本当に美味しい。肉夾モーは、今や西安名物の域を超え、中国全土で食べられる中国版ハンバーガーになりつつあります。似たような見た目でこれだけ強力なライバルがいたら、籠籠肉夾モーが目立たたなくても仕方がありません。

肉夾モーは、中に挟む肉を選べる。痩肉は赤身が多いもの、肥肉は、脂身が多いばら肉 肉夾モーは、中に挟む肉を選べる。痩肉は赤身が多いもの、肥肉は、脂身が多いばら肉

「籠籠肉夾モー」は、いつから始まった?

籠籠肉夾モーは、肉夾モーと同じ素焼きのパンを使ったハンバーガーです。ただし、中に入れる豚肉が違います。もっちもっちの食感です。この食感が美味しい。お味は、豆板醤が入っているのでピリ辛です。籠籠肉夾モーは、清代末期に生まれた比較的新しい料理です。清代末期、陝西省と陝西省の南に位置する四川省との間で商人の往来が盛んになったことで、四川料理の影響を受けて生まれたのが籠籠肉夾モーです。四川には、一人用の小さな蒸籠で豚肉を蒸す「粉蒸肉(フェンジョンロー)」と呼ばれる料理があります。四川の粉蒸肉と西安の肉夾モーをミックスしたのが、籠籠肉夾モーだと言われています。

四川名物の粉蒸肉。小さなせいろ一つが一人前 四川名物の粉蒸肉。小さなせいろ一つが一人前

籠籠肉夾モーのもっちもっち感は、どこから?

籠籠肉夾モーの命と言える、もっちもっちの食感は、豚肉に米粉をまぶしているから。豆板醤、花椒、唐辛子などで味をつけた豚肉に米粉をまぶします。その後、約20分蒸すことで米粉がもっちりと仕上がります。ピリ辛ともっちもっちの食感って、うまいっ! この組み合わせを苦手とか嫌いって言う人は、ほとんどいないのでは? ただ、肉夾モーのほうが簡単に作れるせいか、肉夾モーの屋台のほうが圧倒的に多いのです。西安で籠籠肉夾モーと見つけたら、メジャーじゃないからと言って、パスしないでくださいね。百聞は一口に如かず! 感動ものの美味しさってことがわかりますよ!